歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい修禅寺物語 その二 修禅寺の寺宝・頼家の仮面

ただいま歌舞伎座で上演中の八月納涼歌舞伎

第二部「修禅寺物語」について少しばかりお話いたします。

何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)

 

岡本綺堂の発想の源「頼家のお面」

その一では「修禅寺物語」が伊豆市の修善寺町に実在するお寺「修禅寺」に由来しているというお話をいたしました(人'v`*)
www.suehiroya-suehiro.com

 

修禅寺には岡本綺堂がこの「修禅寺物語」を書くきっかけとなった「頼家の仮面」があり、現在も寺宝として大切にされています。

修善寺温泉に滞在していた岡本綺堂が宿の主人とお話しているうち、

修禅寺の「頼家の仮面」のことが話題にのぼり、源頼家の史実などをヒントとして「修禅寺物語」を書き上げたのだと言われています。

 

岡本綺堂は、

この仮面から漂う悲しげなようすと頼家本人の背景にある悲劇を重ね合わせ、

頼家のつらくかなしい運命が仮面そのものに刻みこまれているように感じた

(ざっくりとした訳)

としたためているそうですが

 

確かにこの仮面はなんともいえぬ形相をしているのです。

 

舞楽の面というと生き生きとした表情が強烈なエネルギーを放っているイメージがありますが、この仮面においてはもっと虚無的な何かを感じます。

見れば見るほどに恐ろしげなお顔にも見えてきます…夜に改めて見るのはなんだか怖いなぁというものであります(・_・;)

 

画像の転載ができませんので、以下のリンクから「寺宝」のページに飛び、ぜひ写真をご覧になってみてください。

怖がりの方はお気をつけくださいね(*´艸`)

shuzenji-temple.com

 

これがまさしく夜叉王が面として彫りだした頼家の運命なのかと思うと、

より一層修禅寺物語の世界の奥行きが感じられるようですね…

23歳の若々しい頼家のためのものとはとても思えぬ、諦観のような表情です。

 

この仮面の詳細については修禅寺においてもわかっていないそうですが、

岡本綺堂の発想の力には圧倒されてしまいます(n´v`n)

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