ただいま歌舞伎座では秀山祭九月大歌舞伎を上演中です。
初代吉右衛門の芸を顕彰することを目的とした「秀山祭」
今年は当代吉右衛門さんが夜の部で、初代の当たり役である「ひらかな盛衰記 逆櫓」
船頭松右衛門 実は 樋口次郎兼光をお勤めになっています!
そんなひらかな盛衰記 逆櫓について、少しばかりお話いたします。
なんらかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
源平盛衰記から生まれた物語
ひらかな盛衰記(せいすいき)は、
1739年4月 大坂の竹本座で初演された人形浄瑠璃のお話であります。
文耕堂・三好松洛・浅田可啓・竹田小出雲・千前軒(竹田出雲)という方々によって合作された作品です。
歌舞伎ではその翌月の5月に、京の辰之助座で上演されています。
全部で五段からなる長いお話で、現在歌舞伎では
二段目にあたる「源太勘当」
三段目にあたる「逆櫓」
四段目にあたる「神崎揚屋」
が主に上演されています。
梶原景時の見女麗しい長男・源太が恋に生きるドラマ「源太勘当」は「神埼揚屋」へと続いていくお話ですが、
「逆櫓」はまた異なった流れのお話ですので、今回は逆櫓に限ってお話したいと思います(´▽`)
ひらかな盛衰記は、鎌倉時代の軍記物語「源平盛衰記」を題材にした物語であります。
源平盛衰記はあの平家物語の異本として知られていますが、作者や成立などについてはよくわかっていません。
平家物語が音楽にのせて物語る「語り物」であるのに対して、源平盛衰記は読むことを前提として書かれていることに特徴があるそうです。
そんな源平盛衰記をくだいてとっつきやすくしましたよ、という意味で「ひらかな盛衰記」と名付けたようです。
昔の人の考えることはやはりおもしろいですね(*´艸`)
というわけで、ひらかな盛衰記で描かれているのは源平合戦の時代の出来事であります!
源平合戦を舞台にした歌舞伎は本当にたくさんあるので、
恥ずかしながら日本史に疎いこのすえひろは何が何やらわからなくなってしまうのですが、
源義経の木曽義仲討伐から一の谷合戦までを背景として脚色したものだそうです(ノv`*)
軸はふたつあり
一、梶原景時の家族に起こったドラマ
一、木曽義仲の一族と樋口次郎の忠義のドラマ
といった具合です。
逆櫓で描かれているのは後者の「木曽義仲の一族と樋口次郎の忠義のドラマ」のみですので、
心づもりをなさってからご覧になると混乱が少ないかと思います(人'v`*)
それでは次回に続きます!