NHK連続テレビ小説を見ることを日々の楽しみとしている私は、
「わろてんか」を楽しく拝見しております(´▽`)
「わろてんか」の主人公・藤岡てんのモデルは吉本興業創業者の吉本せい氏。
明治から昭和の激動の時代に、大阪の「笑い」をビジネスへと変貌させた名興行主です。
半年間を通じて大阪の文化や上方の芸能についていろいろと知ることができたらいいなぁと楽しみにしています。
そんな「わろてんか」今週放送の第13話では、
広瀬アリスさん演じるリリコが娘義太夫(むすめぎだゆう)の太夫であることが判明しましたΣ('0'o)
この娘義太夫なるものは歌舞伎の舞台では見ることができませんが
日本の大切な芸能のひとつですので、少しばかりお話したいと思います(人'v`*)
「娘義太夫」というのは文字通り若い女性の義太夫節語りのこと。
太夫と三味線が二人一組になり、節をつけて物語を語ります。
彼女たちはわろてんか本編でも言われていた通り明治時代のアイドル的存在でありました!
そもそも女芸人が寄席へ出られるようになったのは明治の初めごろだそうで、
当時、名古屋や義太夫の本場・大阪から娘義太夫の人気者たちが続々東京へ進出し、
東京の各寄席は満員の大盛況となっていました。
特に人気を集めていたのは、10代の竹本綾之助のボーイッシュスタイル!
この可愛さと色っぽさが男性たちの間で大評判になり大勢の人々が寄席へと詰めかけたのです。
当時のお客さんたちにとっては芸の巧い下手などはもはや関係なく、
10代~20代の若い女性たちの美しさや可愛らしいパフォーマンスにやんややんやと熱狂していたようですよ(*´艸`)
可愛らしい舞踊などにキャッキャするのはなんとなく想像できますが、
語りにも「萌え」の概念があったなんて…興味深いものですね!
昔から変わらぬ日本人の倒錯好きぶりはもう、さすがとしか言いようがありません。
娘義太夫のファン層はインテリの書生さんたちが中心だったようで、
なんとあの志賀直哉や夏目漱石も相当に熱狂していたと伝わっています!
そんな熱狂的ファンたちは娘義太夫の語りに感極まると
\どうするどうする!(´0`)/
\(´0`)どうするどうする!/
と掛け声をかけて盛り上がったのだそうです。
今でいう「コール」のようなものですね!
そんなファンたちは「どうするどうする」の声にちなんで
ファンクラブ的な連合「堂摺連(どうするれん)」を結成。
娘義太夫語りを寄席から寄席へと執拗に追いかけては熱狂したと伝わっています…
娘義太夫は「女義太夫」「女流義太夫」
略して「女義(じょぎ)」などとも呼ばれ、
現在でも邦楽の演奏会などでその語りを聞くことができますよ!
現代の女流義太夫は明治時代の娘義太夫よりも年齢層が広く、
熟練の芸を楽しむことができます。
中でもすえひろの好きなのは三味線の鶴澤寛也さんです…お姿を見るとうっとりしてしまいます(n´v`n)
女流義太夫の最新情報や演奏会情報などは義太夫協会のサイトやTwitterなどでキャッチできますので、ぜひお出かけくださいね♪