今夜は国立劇場 大劇場にて
第二十回 伝統歌舞伎保存会 研修発表会が行われました!
伝統歌舞伎保存会 研修発表会とは、
若手俳優の方々が幹部俳優の監修のもとで大役に挑戦するという催しであります。
本編の演目が上演された後に開かれる、幹部俳優の方々による「お楽しみ座談会」も目玉の一つです。
橋之助さんによる團十郎型の『熊谷陣屋』
今回は仁左衛門さん監修の「熊谷陣屋」ということで、
このすえひろも拝見してまいりました(人'v`*)
研修発表会を見るのは初めてだったのですが、
夜の上演ということもあってか普段の国立劇場とは少し雰囲気が異なりました。
若手俳優の方々の晴れ舞台とあって
おそらくご家族と思しき方々やお友達らしき方々などが大勢いらしていて、
まさに「発表会」というあたたかなムードが漂っていました(n´v`n)
今日の熊谷陣屋で熊谷次郎直実をお勤めになったのは橋之助さんです!
昨日もロビーで今日の告知をなさっていて、この公演への意気込みを感じておりました。
熊谷陣屋には「芝翫型」「團十郎型」の二つの演出方式があります。
こちらに少し書いてありますので、よろしければお読みください(人'v`*)
橋之助さんは芝翫の名跡のおうちの方ですので、
将来的には「芝翫型」での熊谷を継承してゆくことになるお方です。
しかし、今回仁左衛門さんが橋之助さんに伝授されたのは「團十郎型」。
お楽しみ座談会の仁左衛門さんのお話によれば確か、
「芝翫型」で勤めてゆく身であるからこそ、魅力的な「團十郎型」を一度お勉強されたいとのご本人の希望であったようです。
仁左衛門さん直伝の「團十郎型」は、仁左衛門さんのお父様である十三代の型も盛り込まれたものだそうです。
仁左衛門さんが「型は生きている」とおっしゃっていたのが印象的でした。
今日のお芝居について仁左衛門さんが
「本当に一生懸命に素晴らしい舞台を作ってくれて、教え甲斐があるというものです。
お客さんも客席からパワーをくださって、励みになったと思います」と
本当にうれしそうにニコニコとされていたので
その大切な舞台を拝見できたことをとてもうれしく思いました(´▽`)
橋之助さんは「團十郎型」の幕切れで本当に涙を流してらして、
若くはつらつとしたお顔に一筋スーッと涙が伝ったのが忘れられません。
熊谷という役は当然ながら、もっともっとお年を召して
お顔にシワが刻まれるようになってから芸が生きてくるのだろうとは思います。
しかし私はおそらく今日の橋之助さんの表情をずっとずっと覚えていて、
50代、60代と歳を重ねた橋之助さんが熊谷をなさったとき鮮明に思い出し、
そのなかに仁左衛門さんの芸がしっかり刻まれていることを嬉しく思って
泣いてしまうのだろうなぁ…と想像しました。
歌舞伎は一生の宝物だなぁと思います。
とにもかくにも、素晴らしい研修発表会でした!