先日は京都の顔見世にちなみ、
落語がもとになった歌舞伎「人情噺文七元結」についてお話いたしました。
ただいま歌舞伎座で上演中の十二月大歌舞伎の第二部においても、
落語がもとになった歌舞伎の演目「らくだ」が上演されていますので
こちらについても少しお話してみたいと思います(´▽`)
上方落語がルーツの「らくだ」
「らくだ」という噺は
もとは上方落語の「らくだの葬礼(そうれん)」という噺であります。
それを明治の中頃に名人の三代目柳家小さんが東京へと移したもので、
現在東京で聞けるのはこの小さん型が主のようです。
勘三郎さんと三津五郎さんの「らくだ」が シネマ歌舞伎になっていますが、
お江戸感満載のここではらくだの名前が「馬太郎」であることがおもしろい点です。
なんでも落語に登場する「らくだ」は、
上方落語においては「卯(宇)之助」名前があるそうですよΣ('0'o)
今月の歌舞伎座で上演されているらくだの名前は「卯之助」ですから
上方ネイティブの愛之助さんバージョンで、
一味ちがった面白さを味わうことができそうです!
今ではお馴染みのラクダという動物が日本にやってきたのは文政期。
つがいのフタコブラクダがアラビアからオランダ船に乗せられ、
どんぶらこと海をわたって長崎商人へと売り渡されました。
なにやら大きくてコブのある見たこともない生き物に、
なんじゃこりゃぁと驚いた人々は大わらわ!
江戸・大坂を見世物として巡業して大ブームを巻き起こし
ラクダフィーバーとなったのだそうですよ。
大きくてのそのそとスローに動くラクダは
砂漠でこそ大活躍していますが、当時の日本の一部の人たちには
「大きいくせにのっそりしてなんの役にも立たない」
などと思われてしまったようです。
そのような背景をふまえて考えますと、ずいぶんとひどいあだ名です(´▽`)
参考:日本大百科全書/そのことば、江戸っ子だってね!?