ただいま歌舞伎座で上演中の十二月大歌舞伎!
第一部「実盛物語」はしばしば上演される有名な古典演目ですので、
少しばかりお話いたします。
何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
実盛の首を抱く義仲
前回、平家物語で描かれている
齊藤実盛のエピソードをお話いたしました(人'v`*)
老いた実盛が髪を黒く染め、
若武者の姿で木曽義仲に正々堂々と向かっていった
加賀国篠塚の地は、今も加賀市篠塚に「篠塚古戦場」として残されています。
樋口に言われるまま討ち取った首を洗うと
髪の染めものが流れ落ちて白髪頭が現れ、
その首が実盛のものだったのだと初めて知った義仲は
悲しい再会に涙を流したと言われているのですが
実盛の首を洗ったと伝えられる「首洗池」には、
実盛の首を抱いて空を仰ぐ義仲と実盛の兜、
そして悲嘆にくれる部下たちのようすを描いた像が建てられています。
これが非常にドラマチックな像で
伝説を知らない状態で見たらばさぞ恐ろしいだろうなと思うようなものなのですが
残念ながらちょうどよい写真がありませんので、
「篠原古戦場」で画像検索をなさってくださいませ(>_<)
松尾芭蕉も奥の細道でこの場所を訪れ、
多太神社にあった実盛の甲を見て
むざんやな 甲の下の きりぎりす
という句を詠んでいます。
この「むざんやな」という部分は、
実盛伝説をもとにした謡曲『実盛』の一節にある
「あなむざんやな」という詞章から取られているものです。
季語は「きりぎりす」で、季節は秋。
秋の野の悲しげな虫の音が聞こえてくるような名句ですね。
片山津温泉という温泉街の近くの観光名所として知られていますので
お近くにお出かけの際はぜひご覧になってみてください(人'v`*)