ただいま歌舞伎座で上演中の
歌舞伎座百三十年
松本幸四郎改め 二代目 松本白鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎
松本金太郎改め 八代目 市川染五郎 襲名披露
壽 初春大歌舞伎
二か月続く大変にぎにぎしい襲名披露の興行、
テレビなどでもたくさん紹介され、注目が高まっています!
高麗屋の三代襲名という大変おめでたい今回の興行で
新白鸚さんと新幸四郎さんの襲名披露狂言として選ばれているのが
三大狂言の一つとしても知られる菅原伝授手習鑑です。
クライマックスの「寺子屋」については既にお話してありますので、
その前の「車引」についても少しばかりお話してみたいと思います。
何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
その一では物語全体の前提について
その二ではざっくりとしたあらすじをお話いたしました。
いろいろな顔の人が登場します
車引はとても歌舞伎らしい様式的な演目なので、
初めて歌舞伎をご覧になった方でも「あぁ歌舞伎を見たなぁ!」という
大きな満足感が得られる演目だと思います。
その満足感の大きな要因の一つが「隈取」ではないでしょうか。
車引にはいろいろな種類の隈取が登場するのです(´▽`)
一般的に歌舞伎の特徴といえばなにより、白塗りに赤い筋を描いた独特の化粧です。
歌舞伎といえば隈取の人が大声でど派手に動き回るようなイメージが根強いと思われます。
しかし全ての歌舞伎演目にこのような典型的な歌舞伎役者が登場するわけではないので、
いろいろな隈取が一度で楽しめる車引はザ・歌舞伎をご覧になりたい方にはかなりおすすめの演目であります。
隈取でキャラクターを判断
隈取というのは、取り方と色で役柄の性格・ポジションなどが表現されております。
これをひとつの情報として見てみると、舞台で起こっていることがわかりやすくなります!
梅王丸は、血気盛んなヒーローの筋隈(すじぐま)
松王丸は、力強く堂々たる二本隈(にほんぐま)
桜丸は、若く正義感あふれるむきみ隈を使います。
梅王丸の筋隈はいきり立って今にも暴れ出しそうなようすがよく現れていますし、
桜丸は三人の中ではソフトな印象があり、優しい雰囲気が感じられると思います。
とてもスタイリッシュですよね(´▽`)
悪役の人々にもそれぞれお化粧に決まりがあります。
藤原時平は、陰険で不気味な悪役の公家荒(くげあれ)
杉王丸は、小憎たらしい赤っ面(あかっつら)と呼ばれています。
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他の演目を見る時にも役に立つと思いますので、
ぜひご参考になさってくださいね(人'v`*)
参考:新版 歌舞伎事典、松竹歌舞伎検定公式テキスト