先日南座のロビーにて、
「歌舞伎銘菓 夕霧」なるお菓子を見つけたのでひとつ求めてみました!
なんでもこれは歌舞伎の人気演目「廓文章」にちなんだものだそうであります。
「廓文章」とは、和事(わごと)とよばれる上方らしいやわらかな恋物語の代表作。
藤屋の若旦那・伊左衛門さんが、
恋人である大坂新町吉田屋の遊女・夕霧に入れ込むあまり勘当されてしまい、
紙衣に編み笠という姿でどうにか吉田屋に会い来るが…という物語です。
みすぼらしい身なりでも育ちの良さがよくわかる物腰やわらかな伊左衛門さんは、
夕霧に会えるとウキウキしてみたり、
いざ夕霧が来るとツンとすねてみたりと、とにかくかわいらしい方であります!
何を隠そう、このすえひろにとっては伊左衛門さんこそが理想の男性、
歌舞伎の登場人物のなかで一番好きなキャラクターです。
このお菓子はそんな伊左衛門さんが登場する場面でかぶっている、
編み笠をモチーフにしたつぶあん入りの生八ッ橋。
お菓子が載っているシートとお菓子の袋には、
伊左衛門さんの着ている紙衣のデザインがあしらわれていて、
廓文章好きの心がくすぐられます!
いただいてみますと通常の生八ッ橋よりも皮がすこし分厚く、
食べごたえがあるように感じられました。
どういった経緯でこのお菓子が生まれたのかを調べてみますと、
昭和20年代 南座に出入りしていた井筒八ッ橋本舗の五代目津田佐兵衛が、
劇作家の高谷伸、歌舞伎役者の林又一郎、片岡仁左衛門とともに
「お客さんに喜ばれる、歌舞伎にちなんだ上菓子を」と考案したものだそうです。
ちょうど来月の歌舞伎座、壽初春大歌舞伎でも上演される廓文章
歌舞伎座のロビーでも販売されないかな?と期待しております!