歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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明日18日の海老蔵さんご復帰が延期に

ただいま歌舞伎座で上演中の七月大歌舞伎

今日は予定していた内容がありましたがいろいろと思うところあり、

ここに少しばかり残しておきたいと思いました。

 

15日より海老蔵さんが急遽、急性咽頭炎のために休演なさり、

劇場側での代役や演目変更などの対応が一切なされぬままに、

夜の部そのものが休演になるという事態に陥ってしまったということが,

さまざまなメディアで連日報じられています。

近年様々な新作歌舞伎が上演されているなか、果たしてこのような事態が想定外と言えるのか疑問に思います。

そんな中でも勸玄さんは堂々と外郎売をお勤めになり、

なんと立派なことだろうと恐れ入った次第であります。

 

まだこのすえひろは夜の部の演目を拝見しておりませんが、

相当にハードな興行だそうで、さぞかしご無理なさったことと思われ大変心配です。

 

歌舞伎役者の方々は25日間の興行で、

猛烈に肉体と精神を酷使なさるお仕事だと思います。

週休2日が基本となりつつある世の中で、想像を絶する境地であります。

芸は役者さんお一人お一人の命の上にしかない儚いものですから、

どうかどうか大切になさってほしいと、焦りのような不安を感じてしまいます。

 

一方で、芝居見物の日を毎日楽しみになさっていた方、

またいろいろ調整したうえで遠方よりおいでになった方にとっては

どれほど残念なことであったか、お金の問題だけではとても片付けられない悲しみを、

少し想像しただけでも泣きたいほどに心が痛みます…。

 

しかしその楽しみには海老蔵さんの健康が絶対的に必要なわけですから、 

役者さんの健康と一つしかない命、そしてお客さんの気持ちの上に成り立っている

ショービジネスのリスク管理と責任について大いに考えさせられる出来事でした。

今後さまざまな視点からの改善、配慮がなされることを切に願います。

 

海老蔵さんはあす18日昼の部・夜の部からご復帰のことと発表されていましたが、

さきほど松竹株式会社の発表でご復帰は延期され、19日以降も未定とのことが報じられました。

このままご無理のないスケジュール設定で無事楽日を迎えられるよう、心より願っております。

 

そんな中ですが、明日からは昼の部「新歌舞伎十八番の内 素襖落」について、

ごく簡単にお話してみます。芝居見物のお役に立てればうれしく思います!

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