歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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本日・歌舞伎座千穐楽! 2019年7月

本日28日、歌舞伎座で上演されていました

七月大歌舞伎の千穐楽となりました!

おめでとうございます!

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勸玄さん外郎売の衝撃

今月の公演は夜の部で13もの役ををお勤めになっていた海老蔵さんが

急遽体調を崩され、夜の部そのものが休演になるという珍しい出来事がありました。

無事に千穐楽となりひとまず安心いたしました。

 

お子様方はさぞかし不安だったことと思われ大変胸が痛みますが、

勸玄さんはそんなトラブルのなかでも見事にご自身の役をお勤めになったとのこと…

どんなときにも自分の仕事を全うする姿勢、

本当に人として、働く者として尊敬いたします。

 

先日大阪松竹座へ出かけた際、

近くのお席からたまたま聞こえてきたご婦人方のお話においても

勸玄さんの見事なセリフは評判になっていました。

単に覚えたセリフをよどみなく言うことができるというレベルを超えて

言葉のひとつひとつをおもしろく聞かせるような

抑揚のつけ方など見事でありましたものね…!

このすえひろもついご婦人方の会話に参加したくなりうずうずしておりました。

今後のご活躍のほどが今から楽しみで仕方がありません。

 

また海老蔵さんにとっても

海老蔵のお名前でご出演になる七月大歌舞伎は今年で最後だったわけですが、

そのように考えながら夜の部「星合世十三團」を思い返しますと

梅玉さんの義経で上演されたこと、

そこから團十郎の名跡に繋がっていく重みに大きな意味を感じ、

古典歌舞伎の行く末に対する不安が少し和らぎました。

 

近代の歌舞伎を調べてみれば

古典歌舞伎の奇想天外な趣向を試してみる役者さんというのは決して珍しくなく、

いつの世も革新は必要なことなのだと思い知らされるようです。

 

襲名興行では大幹部の方々と共演される古典歌舞伎の演目もたくさんあるはずですので

来年の今頃の海老蔵さんのご活躍を心から楽しみに思います!

 

昨今、芸能の問題がたびたび話題になっていますが、

歌舞伎界の方々が体調面のご無理をなさらずに長く長くご活躍いただけるよう

休日や体調管理の問題も良い方向に向かうよう切に願っております。

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