早いもので一月も今日で終わり…
はるか遠くに思われた2020年が幕を開け、
團十郎襲名の狂言と配役が気になるなあと思いつつ早ひと月が経過してしまいました。
今年もお正月芝居はどの劇場もにぎにぎしく楽しく拝見いたしましたが、
そんななかでも特に印象深いのは新春浅草歌舞伎であります。
松也さんを中心としたメンバーへ世代交代が行われてから6年、
皆様のお芝居の中に6年間の積み重ねを感じさせるような重みが生まれはじめていて、
このすえひろも毎年楽しみに拝見している者の一人としていたく感動いたしました。
大幹部がご健在のなか新作歌舞伎に配役され年間の多くをそちらにかけるような方も多い現状で、
古典の大役をしっかりと教わることのできる機会がどれほど貴重なものとなるか計り知れず、
皆様の後々のご活躍が本当に楽しみになりました。
こうして大好きな芝居が受け継がれていくさまを目の当たりにしますと、
なんやかやと先を憂いてばかりでは今を楽しめないなと反省させられます。
来年は一体どんな演目に挑まれるのか、本当に楽しみです!
また今月は「シネマ歌舞伎 廓文章」も拝見して参りました。
これがもう…本当に本当に素晴らしい、贅沢な時間でありました…!
本編の前に大画面で繰り広げられた仁左衛門さんと玉三郎さんそれぞれの語り、
演目にかける思い、これまでの思い出、そしてお互いへの思いなどなど…。。
シネマ歌舞伎にはインタビュータイムもあるということをすっかり失念しており、
心の準備を一切していなかったため、衝撃で脳が沸きあがるほど興奮いたしました…
ただただ美しいばかりの吉田屋を大画面で拝見しますとうっとりどころか、
いま夢を見ているのではないかしら…というような状態になり、
ひたすら恍惚のうちに一時間半の時が過ぎるというようなエステティック体験であります。
驚くのはこのシネマ歌舞伎の映像が10年以上前、平成21年撮影のものにもかかわらず、
それが一見わからないほどにお二人とも「今がお美しい」のですよね…!
ああこの頃はお若かったな、という思いすら、全く抱きませんでした。
60代後半、70代となられた今が10年前よりお美しい、
それを実現する芸の力というのは一体どういったことなのでしょうか…
私のような凡人中の凡人の感覚では計り知れぬその深みに圧倒されてしまいます。
もしかしてバンパネラなのでは…?時の輪を巡り巡っているのでは…?
(宝塚歌劇団花組「ポーの一族」より)
と思われるほどのお二人と同じ時代に生きることができた喜びに打ち震えます。
もしまだご覧になっていない方がおいででしたら、
ぜひにとおすすめいたします…!!!!!
来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。
楽しみに休みたいと思います。おやすみなさいませ・