歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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本日初日!歌舞伎座 二月大歌舞伎 上演時間&一幕見席タイムテーブル

本日歌舞伎座にて二月大歌舞伎の幕が開きました!
おめでとうございます!

発表されている上演時間をまとめましたので、よろしければご活用ください。
スクリーンショットで保存しておきますと、圏外の劇場でも便利です!
(上演中は携帯電話の電源をお切りくださいね)

昼の部

菅原伝授手習鑑
加茂堤

11:00~11:25

主な出演:勘九郎、孝太郎、米吉、千之助

幕見席発売時間:10:30~ 1,000円


幕間  35分

菅原伝授手習鑑
筆法伝授

12:00~13:22

主な出演:仁左衛門、秀太郎、梅玉、時蔵

幕見席発売時間:11:15~ 1,400円


幕間  20分

菅原伝授手習鑑
道明寺

13:42~15:35

主な出演:仁左衛門、玉三郎、千之助

幕見席発売時間:12:15~ 1,600円

夜の部

八陣守護城

16:30~16:55

主な出演:我當
幕見席発売時間:14:00~  800円

幕間  20分

羽衣
17:15~17:45

主な出演:玉三郎、勘九郎

幕見席発売時間:16:40~ 1,000円

 

幕間  35分

人情噺文七元結

18:20~19:35

主な出演:菊五郎、時蔵、梅枝
幕見席発売時間:17:30~ 1,400円


幕間  20分

道行故郷の初雪

19:55~20:20

主な出演:秀太郎、梅玉
幕見席発売時間:18:35~ 800円


※2月1日時点での予定。

www.kabuki-bito.jp

今月の幕見席

今月の幕見席は寒い時期ということもあり、お正月よりは人出が落ち着くのではないかと思われます。

しかしながら素晴らしい狂言立てでどの幕もおすすめしたい公演です!

昼の部「道明寺」は仁左衛門さんと玉三郎さんのご共演ということもあり、

リピートなさるファンの方も多いはずですので、

立ち見を避けたい場合は早めの日程での見物をおすすめいたします。

 

今回初めて歌舞伎をご覧になる方で、内容が理解できるか不安であるという方には、

夜の部「羽衣」や「人情噺文七元結」もおすすめです。

羽衣」は玉三郎さんと勘九郎さんによるひたすらに美しい舞踊。

上演時間30分というボリュームも丁度よいかと思います。

また「人情噺文七元結」は落語をもとにした演目であるため、

セリフがとてもわかりやすく、飽きない展開が続きます。

菊五郎さんと左團次さんの共演というのもおすすめのポイントです!

みどころ

今月の歌舞伎座は名優十三代片岡仁左衛門丈の

二十七回忌追善としてゆかりの深い演目3つを、

我當さん、秀太郎さん、十五代仁左衛門さんのご子息三兄弟が

それぞれにお勤めになるという必見中の必見の興行であります!

 

十三代といえば関西歌舞伎衰退の時代に私財を投じて自主公演を続けられ、

近代の錚々たる名優に学んだ型を伝承し、現在に続く発展の礎を築かれた偉大なるお方。

晩年は失明の状態になっても舞台に立ち続けられ、

90歳まで亡くなる数か月前まで現役でいらしたという伝説的名優であります。

 

 

今回の追善狂言の中でも特にゆかりの深い役どころは

昼の部「菅原伝授手習鑑(筆法伝授・道明寺)」菅丞相であります。

内容的には菅原道真が策略により太宰府へと左遷されてしまう…という

大変シンプルな筋で、どっしりと重厚感あふれる名場面です。

 

菅丞相(菅原道真)といえば学問の神様・天神様とされる聖者であり、

少ない動きの中に人間を超えた神格を備えなければならない至難の役と言われています。

十三代のお勤めになる菅丞相は「神品」とまで評され、

特に昭和63年にほぼ失明の状態でお勤めになった菅丞相などは

伝説的名舞台として語り継がれています。

 

 

頻繁に上演される名作「寺子屋」の数段前にあたる場面ですので、

このお正月に新春浅草歌舞伎で「寺子屋」をご覧になった方にもおすすめです。

松王丸が我が子を殺してでも忠義を立てたい菅丞相とは一体どんな人物なのか…

併せてご覧になるとよりいっそう感動が深まるかもしれません!

 

そして夜の部にもゆかりの深い二つの追善狂言が並んでおります。

八陣守護城」で我當さんがお勤めになる佐藤清正は、

十三代が90歳で最期にお勤めになったお役。

道行故郷の初雪」で秀太郎さんが梅玉さんとお勤めになる梅川忠兵衛は、

秀太郎さんと十三代が何度もお勤めになったお役であります。

 

二十七回忌追善を十三代直伝の三兄弟の皆様が揃ってお勤めになるというのは、

本当にまたとない貴重すぎる機会であります。

初めてご覧になる場合はわかりにくい内容の場面も含まれますが、

よくわからないがすごい…!!!という体験もまたこの上なく素晴らしいものです。

迷っておいでの方にはぜひにとおすすめいたします!!!

今月もみどころいっぱいの歌舞伎座、どんなひと月になるか楽しみです!

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