緊急事態は徐々に脱しつつもいまだ劇場の幕は開かぬ昨今…
Googleストリートビューで芝居の舞台となった場所とその周辺を訪ねてみることが数少ない楽しみのひとつとなってまいりました。
事情があり画像そのものを貼ることができず地図埋め込みとなりますが、何卒ご了承くださいませ。
昨日、町田康さんの小説「ギケイキ 千年の流転」についてお話してからというもの「鬼一法眼三略巻 菊畑」の舞台が思い出されてなりませんので、今日は鬼一法眼ゆかりの地へ行ってみるつもりです。
「鬼一法眼三略巻 菊畑」といえば昨年の11月に歌舞伎座で上演がありましたね!
梅玉さんの智慧内に莟玉さんの牛若丸、鬼一法眼は芝翫さんという配役。梅玉さんの部屋子として活躍されていた梅丸さんが養子となられて莟玉のお名前に改め、その披露狂言として上演された、おめでたい晴れの舞台でありました。
梅丸さんといえばアイドルかと思われるほどの衝撃の可愛らしさでおなじみでありましたが、この披露狂言の牛若丸はキリリと凛々しく上品で、いつにも増して梅玉さんの教えがひしひしと感じられました。
そんなことを思い出しつつ、鬼一法眼ゆかりの地を探してみましょう。
前回:京鹿子娘道成寺編
鬼一法眼三略巻 菊畑とは
「鬼一法眼三略巻 菊畑」は、平家に仕える兵法指南役の鬼一法眼なる人物の館が舞台。鬼一法眼が「六韜三略」という大事の兵法書を秘蔵しており、これを狙うために奴の寅蔵に身をやつした牛若丸が忍び込んでいて云々、という内容であります。
手に汗握るようなスリルや驚きの展開があったりするわけではないのですが、菊の花が咲き誇る庭のようすや衣装などがたいへん美しい眼福の場面であります。
さっそく行ってみましょう
そもそも鬼一法眼という人物自体がかなり謎めいていて、土地に関することは「京都一条堀川にすむ陰陽師」ということしかわかりません。
そのうえ朝日歴史人物事典によれば「実在は不明」とあります。
不安ですが、このあたりなのでしょうか…
ひとまずは有名な一条戻橋を渡ってみますが…手がかりは皆無であります。
京都市の情報によると、鞍馬小学校あたりに鬼一法眼の墓と伝わる場所があるらしいということがわかりました。
このあたりのようです…こちらも行ってみましょう。
おおお、ストリートビューが高速道路?にしか敷かれておらず、墓の在処がまったくわかりません…
せっかくですので義経の早業気分で、鞍馬街道をびゅんびゅんとひた走ってみようと思います。
ストリートビューの道がすっ飛んでしまい完全に道に迷いましたが、なにやらお寺らしきものが見えてきました。
道なりに進んでいくと神秘的なところへ迷い込んでしまいました…
なんと…!
地図によればここが鬼一法眼を祀る「鬼一法眼社」なる神社のようです!
暗くて見えにくいのですがあたりをよくよく見回しますと、
魔王の滝、魔王の碑なるものもあるようで、画面越しながらなんだかドキドキしてきました…魔王…
鬼一法眼、実在したのでしょうか…
なんだか神秘的すぎて少し恐ろしくなってしまったので、鞍馬寺へバーチャルお参りして帰りましょう。。
暗雲が立ち込めています…
ああ…鬼一法眼ゆかりの地についてはよくわかりませんでしたが、鞍馬山の神秘はストリートビュー上からもひしひしと伝わってきました。
次はもう少しわかりやすい場所へ出かけてみたいと思います!