近ごろ東京では新規感染者二桁の日が続き「東京アラート」なるものが発令されていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?毎晩テレビで赤くライトアップされた恐ろしげなレインボーブリッジのようすが放送され、世紀末感が漂っていますね。
このすえひろはといえば、緊急事態宣言下から引き続き家でこまごまとした整理を続けております。そんななかで、また懐かしきものが掘り出されましたのでご紹介いたします。
多分、前の歌舞伎座の幕見券だと思います…
今日お見せしたいのはこちら!
10年程前に使っていて、愛着があり捨てられなかったお財布の中から発見されたものです。
これは多分、前の歌舞伎座の幕見券だと思うのですが…
昼1、昼2、夜1などとはんこが押されていますからその可能性が濃厚であります。
今の歌舞伎座の幕見席の価格帯と比べますとかなりリーズナブルに感じられますね!
昼の部は赤、夜の部は黒のはんこのようです。このアナログ感がたまらなく可愛らしいです。
色違いのこちらも歌舞伎座のものかと思いましたが、よく見ますとどうやら新宿末広亭の入場券のようですね。
前の歌舞伎座の幕見券は現在の幕見券のように演目などは全く書かれておらず、整理番号もありませんでした。
これを握りしめ、エレベーターもない急勾配の階段を4階まで急ぎ足で登り、着いた人から順に入場していたような気がいたします。
今の歌舞伎座の幕見席と同様、ご年配の方も大勢いらしたと思いますので、本当に体力勝負な芝居見物だったのですね。
甘栗屋の方が大声で商品をアピールしているのを横目で見ながら息を切らして四階に上がると、天井が近く換気も悪いみっちりとした空間にお客さんたちがひしめいていて、あれぞまさしく「密」であったなと思い出されます。
ごちゃごちゃとしておもしろかったですね…あの「密」が恋しくてたまらなくなりました。
この切符には「12月24日夜3」とあります。
これは忘れもしない、勘三郎さんの野田版鼠小僧を見たときの切符のはずです!
勘三郎さんの芝居にしみじみと泣かされた、あの冬の夜からもう10年以上が経過してしまったのだなあと驚きいりました。
屋根の上の勘三郎さんの姿は今でも目に焼き付いています…
今となってはあの日の自分に、こう伝えたいです。
「今後10年の間に信じられないような悲しいことがたくさん起こるし、よくわからない病気で世界も大きく変わってしまうのだけど、引き続きあなたは歌舞伎に夢中だよ。夢中どころか生活の一部になって結構な勢いで散財するよ、それでも歌舞伎のおかげで幸せだよ、今見てるものをよく覚えてチラシは整理して感想ちゃんとメモしといてね!」
いろいろメッセージはありますが、とにかくいま一番伝えたいのは記憶・整理・メモであります。
今後10年は管理をきちんとがんばろうと決意を新たにしました。