本日5日、歌舞伎座八月花形歌舞伎の第三部「吉野山」が公演中止となりました。
いま起こっていることを数年後にも振り返ることができるよう備忘録として残しておきたいと思い、したためております。
歌舞伎座の判断に安堵
公演中止の理由は、「吉野山」の関係者の方お一人の微熱だそうであります。今後はPCR検査と健康観察が行われ、明日からの上演は追って発表があるとのことです。
PCR検査の結果が陰性であるよう祈るばかりであります。
お出かけになった方には本当に残念なことであったと思いますし、遠征なさった方の胸の内を想像しますととてもつらいものの、お一人の体調不良を理由に大事を取って公演そのものを中止するという慎重な判断には、今後も歌舞伎座へ出かけることを考えますととても安心いたしました。素晴らしいことだと思います。
また今回のことですごいなあと思ったのは、役者さんも裏方さんも総入れ替え制の公演であるため、消毒作業を経て第四部「与話情浮名横櫛」は上演することができたという点です。
感染のリスクはもとより、公演中止の経済的リスクも最小限になっているのですね!とても頼もしく、歌舞伎ならではの「見取り」の素晴らしい応用なのだなあと大変感動いたしました。どうか千穐楽まで、少しでも多くの幕が明けられますようにと願うばかりです。
また昨日は、宝塚の公演で開演直前に中止が発表されるという出来事があり、この記事に書かれている宝塚ファンの方々の愛と想像力にあふれた言葉が非常に胸に迫りました。私も歌舞伎を愛する者の端くれとして、細部まで想像力を働かせつづけていたいと思います。
また、役者さんのブログにて今月出演なさっていない方にもお見舞金が支払われたとのことを知りまして、詳しくはわかりませんが心配ごとがひとつ減りました。
歌舞伎をはじめ、宝塚や新派、そのほかさまざまな伝統芸能が、末永く続いていくようにと願うばかりです。ファンとしてできることを探しながら、感染拡大防止に努めたいと思います。