先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして十月大歌舞伎の第一部「京人形」を拝見してまいりました!備忘録として感想を少しばかりしたためておきたいと思います。
距離を取りつつたのしい立ち回り
今月の主な配役
左甚五郎 芝翫さん
女房おとく 門之助さん
京人形の精 七之助さん
「京人形」は、日光東照宮で知られる彫刻の名人・左甚五郎を主人公とする珍しい舞踊であります。甚五郎が彫り上げた美しい太夫の人形が、男性である甚五郎の魂を持って動き出してしまうというユーモラスなもので、このすえひろも比較的好きな演目です。
七之助さんの京人形の精の美しさたるや尋常でなく、全員がしっかりとマスクを装着し静寂を保っている客席であるにもかかわらず、なんとなくザワザワ…と空気が揺れるようでありました。きっとたくさんの方が一斉にうっとりのため息をついたのではないかなあと思います。
京人形が美しければ美しいほど、男のような動きがおもしろく、しかしながら声を出してはならぬというルールもありますのでできる限りそれを順守すべく、笑いをこらえるのに必死でありました。
個人的に「京人形」で特に好きなのは最後の甚五郎による立ち回りであります。彫刻の名人らしくさまざまな大工道具を駆使しての立ち回りがなんともおしゃれですよね!
今回はこのような状況下ということもあり人数が少し少なくなっていたように思いますが、それでもやはり楽しいものでした。
38分という上演時間はほかの演目に比べて短く感じますが、歌舞伎ならではの華やかさや美しさ、楽しさは十分堪能できます!歌舞伎座の中に密接場面はほとんどありませんので、迷っておいでの方にもおすすめしたく思います。