歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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第四部を見てきました! 2020年10月歌舞伎座

先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして十月大歌舞伎の第四部「口上 楊貴妃」を拝見してまいりました!先月に引き続き玉三郎さんお一人の一幕で、あまりのお美しさにうっとりのため息を連発してしまいました…備忘録として感想を少しばかりしたためておきたいと思います。 事前に内容を知りたくないという方はこの先をお読みにならないようお気をつけくださいませ。

夢心地の一時間

 

先月の「口上 鷺娘」に引き続き、玉三郎さんによる口上と舞台映像を交えた映像でのバックステージツアー、「楊貴妃」の映像と一部実演というスタイルです。

先月の口上でも印象深かった「舞台上から見た客席の風景」は好評でもう一度見たいというリクエストがあったそうで、私も同じように思っておりましたためもう一度拝見できとてもうれしかったです。真っ赤な客席に包み込まれるような体験というのはお客の立場ではできないことですから、役者さんたちの人生模様を想像するうえでも素晴らしい体験でありました。

 

意訳になってしまうのですが、玉三郎さんが海外のバックステージツアーに参加された際、置いてあるかつらや衣装に「触ってはいけない」と注意され、触ってはいけないと言われるようなそんな特別な場所で、役者として生きていけることをうれしく思ったというようなお話が印象に残りました。

そんな流れでまさに特別中の特別な場所である玉三郎さんの楽屋を見せていただけるということになり、エッと心が躍りました。美しく整頓された楽屋には美術館にあるような屏風と錦絵を貼った屏風、鏡台にひとつひとつが美術品のような化粧道具が並んでいるさまに、もううっとりうっとりうっとりの連続であります。

 

その時点で既にうっとりの飽和状態であったのに、続く「楊貴妃」の美しさたるやもう目が眩むようで、まさに夢心地の一時間でありました…。なんどため息をついたでしょうか…。このすえひろは12年ほど前に南座で行われた「坂東玉三郎 中国・昆劇 合同公演」を生で拝見しているのですが、干支が一周周ったとはとても思えないお美しさでした。。

舞台の上から楽屋まで美しい夢の世界にいらっしゃる方なのだなあ、そして我々に現実感を少しも見せないよう隅々まで配慮してくださっているのであろうなあと、拝むような思いがいたしました。

 

これは余談なのですが、確か幼稚園生くらいのころに京劇の劇団の来日公演があったか何かで、母に連れて行ってもらったことがありました。(昆劇とは違うことは承知しております)

もちろんお話の内容などは全くわからず記憶にもありませんが、異様にトランプマンが好きな幼児であったために白塗りのお化粧に興味を持ち、不思議な発声やド派手な演出に猛烈に心が躍ったことを思い出しました。

そう考えますと、私の歌舞伎好きはいわゆる日本の伝統文化からではなく「なるほど!ザ・ワールド」のトランプマンと京劇から来ているのかもしれません。いつか好きになるものというのは子供時代のどこから繋がっていくかわからないものだなとつくづく思いました。

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

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