本日25日は、国立劇場で上演されていた11月歌舞伎公演の千穐楽でありました!
先日の新型コロナウイルス感染の影響によって第二部は中止となり、第一部「平家女護島 俊寛」のみの上演であります。俊寛僧都は吉右衛門さんです。
しばらく拍手鳴りやまず
このすえひろも第一部に出かけてまいりましたが、客席には想像していたような重々しいムードはなく、むしろ千穐楽を全力で楽しもうという熱いエネルギーが感じられ、なんだか元気が湧いてきました。ご出演の方々や裏方の方々、劇場の方々がどれほどの緊張感で迎えてくださった上でのこの楽しみや…と思いめぐらしますとたまらなくなり、精一杯の拍手をした次第であります。
吉右衛門さんの俊寛は、もう言葉ではとても表現できない素晴らしさで、魂が揺さぶられるようでした…この感動を数十年後にも残すべく、いま言語化しておかなければならないといつも思うのですが、まったく力が及びません。。
「思い切っても凡夫心」のくだりからは、自分の胸の中にもとてつもない孤独感が沸き上がり、幕切れまぎわ絶海の地平線を眺めている俊寛のようすに、心がぐわぐわと震えました…体はほとんど動いていないようにみえるのに、下瞼にみるみるうちに血が巡り赤くなっていくのですね。。あの状況にあってなお命があることの哀しさのようなものが胸に迫り、たまりませんでした。
客席の熱量もすさまじいものがありました!定式幕が引かれた後もしばらく客席中から拍手が鳴りやまず、ひとつの区切りとして緞帳が下りてきたくらいです。金糸の緞帳を見て、ハッと我に返りました。
明日もわからぬ状況にあって、あの空間にいられたことを幸せに思います。
第一部は無事千穐楽となりました。しかし、孝太郎さんはその後どうなさったか、仁左衛門さんや東蔵さんはじめご共演の方はその後発症なさっていないのか、新規感染者や重症者の数が発表されるたびに心配が尽きずにおります…
第二部は初日近くに拝見し、本当は今週2度ほど拝見する予定でしたので、もっとバランスよく序盤にも予定を入れておけばよかった…!と今更ながら後悔しきりです。。
こうしたことからも、今は感染症拡大下にあるのだという気持ちが自分自身緩んでいたのだろうと思われ、深く反省いたしました。
願いや祈りといった非科学的なこと以外になす術がなく本当に情けないのですが、どうか少しでも良い状況になりますようにと願うばかりです。