新型コロナの外出自粛期間に始めた「Googleストリートビューで芝居の舞台となった場所とその周辺を訪ねてみる」という遊び。本日もひとつ訪ねてみようと思います。ゆるゆるとした旅ですがみなさまもぜひご一緒にいかがでしょうか。
先日、歌舞伎座で千穐楽を迎えた壽 初春大歌舞伎にちなみまして、第二部「仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場」ゆかりの地をうろうろしてみたいと思います。行き当たりばったりのうえ、事情があり画像そのものを貼ることができず地図埋め込みとなりますが、何卒ご了承くださいませ。
前回:夕霧名残の正月 編
仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場 とは
「仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場」は、赤穂浪士討ち入り事件を題材とした名作中の名作・仮名手本忠臣蔵の後半にあたります。
祇園で遊興三昧の日々を送る大星由良之助は、もはや亡き主君塩冶判官の仇を討つ気はないのであろう…と誰もが思うところ、仇討ちに加わりたいと懇願する足軽の寺岡平右衛門と、自分との恋路により主君の大事に居合わせることができなかった夫勘平のため自ら祇園の遊女になったおかるにより、由良之助の本心が明らかになるという名場面でした。
さっそく行ってみましょう
このすえひろも以前ブログでご紹介したことがありますが、祇園一力茶屋は現存しておりまして、ちょうどこのあたりです。
今月は上演されませんでしたが密書を持った力弥が登場するシーンで「山科よりは一里半」とありました。一里は約4kmと考えられているそうですから、だいたい6kmくらいというところでしょうか…
一力亭から大石内蔵助の住居があったとされる地まで現代の道を歩いてみようかとも思いましたが、結構な距離でしたのでやめておきましょう。昔の人の健脚ぶりはすごいですね。
九太夫が水雑炊を喰らわされる鴨川です。 江戸の冬の鴨川、ドボンと入れられたらさぞ冷たいことであろうと思われます…おそろしいですね。。
鴨川を渡ればおなじみの南座です。遠めに見ても堂々たる風格で、シムシティのようです。
劇場建築らしいこの華やかさ!道幅の狭さからくる猛烈な圧力が大好きです。
さて、南座を越えて八坂神社の方角へ歩いていきましょう。
この通りにあるという何必館という美術館にいつか行ってみたいのですが、芝居に忙しく未だ叶えられずにおります。今年の顔見世で立ち寄ることができるといいのですが。
見えてまいりました!一力茶屋の塀であります。
この赤さ、芝居の大道具さながらです。めくるめく華やかな世界を想像させてくれます。
残念ながら一力ののれんは見れませんでしたが、軒先に小さく一力の文字が見えますね。いつの日か中に入ってみたいものですけれども、私のような者には難しいだろうなあと思います…
花見小路を歩いていきましょう。かわいいレトロなポストがあります。
ここ数年顔見世で訪れた京都はどこもかしこも混んでいたので、このように人のいないようすは見たことがありません。現在はどうでしょうか。
竹で作られている三角コーンらしきものが見えますね!景観を壊さないための工夫でしょうか、素晴らしい細やかさです。
風情しかない通りをまだまだ行きます。
都をどりが開催される祇園の歌舞練場が見えてまいりました。
明治時代の洋館のような外観が美しいですね。この画像からはよく見えませんが奥に立派な破風がちらりとのぞいています。
歌舞練場の真横に、まさかのJRAウインズが。
こんなに風情を醸し出しているウインズは初めて見ました。
花見小路の突き当りは建仁寺でした。
建仁寺には俵屋宗達の風神雷神図があるそうですね!
南座からそう遠くはないのにこれまで立ち寄ったことがありませんでした。
今年はぜひ行ってみたいなあと思います。