ただいま歌舞伎座では二月大歌舞伎が上演されています。
第三部「連獅子(れんじし)」は、十七世中村勘三郎三十三回忌追善として上演され、勘九郎さんと勘太郎さんがご共演なさっている記念の一幕です。
古く拙いものばかりでお恥ずかしいのですが、お話したものがいくつかございます。いくつかご紹介いたしますので、何らかのお役に立つことができればうれしく思います。
そもそも連獅子とは
連獅子(れんじし)は、1872年に東京の村山座で初演された演目。幕末から明治にかけて活躍した名作者河竹黙阿弥の明治5年の作品です。
赤と白の長い毛をぶんぶんと振り回すようすが非常に有名で、歌舞伎といえば外国の方でもこのようすを思い浮かべるのではないかと思われるものであります。
近年もかなりの頻度で上演されています。「獅子の子落とし」の伝説をもとに作られている作品であるので、襲名披露などの場面において親子でお勤めになることが多いためです。
この演目については全くお話ができていないので、近くまた改めて掘り下げたお話をしたいと思います。
清涼山の石橋伝説から
「獅子」と聞きますと、やはり思い浮かべるのはライオンかと思います。
ライオンをデフォルメして赤と白を作ったのだろうかと考えたくなりますが、あの長い毛が表現しているのはネコ科のライオンのたてがみではありません。
ここでいう「獅子(しし)」というのは、中国清涼山の伝説上の生き物のことです。
たてがみではない
さらに、おなじみの長い毛の正体についてお話したのがこちらの回であります。