歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【9月9日まで購入可】令和3年文楽素浄瑠璃の会を配信で!

8月21日(土)大阪の国立文楽劇場で上演された「令和3年文楽素浄瑠璃の会」の動画が、現在イープラスのストリーミングプラスで配信中です!!県をまたいだ移動がなかなか難しい昨今、本公演だけでなく一日限りの公演も配信してくださるというのは本当にありがたいことですね。

今回の配信は歌舞伎でも人気の演目ばかりです。歌舞伎との違いや演目の内容に関する新発見などさまざまなお楽しみが満載で、歌舞伎がより一層楽しくなること請け合いです。

また今回は人形のいない素浄瑠璃ですので、視覚情報のない状態で浄瑠璃の世界を頭に描くことができるという意味でも発見が多く大変おすすめです。今後お芝居や浄瑠璃を見る際も、詞章と音楽が表現しているものをより深く楽しめるようになるのではないかと思います。

チケットの詳細

チケットは2,600円、販売期間は2期に分かれています。視聴期限と購入のタイミングにご注意ください。

①8月28日(土)11:00~9月 3日(金)23:59

②9月 4日(土)11:00~9月10日(金)23:59

最終的な販売期限は2021年9月9日(木)23:59までです。

eplus.jp

演目

今回の上演演目は、下記の三つです。

①彦山権現誓助剣 (ひこさんごんげんちかいのすけだち)
 毛谷村の段

②新版歌祭文 (しんぱんうたざいもん)
 油屋飯椀の段

③女殺油地獄 (おんなころしあぶらのじごく)
 豊島屋油店の段

すべて歌舞伎でも上演頻度の高い演目の一場面です。それぞれ簡単にご説明いたします。

 

①彦山権現誓助剣 毛谷村の段

武術の達人で心優しき好青年・毛谷村六助が主人公。母を亡くしてひとり暮らしていた六助と、同じく武術に長けた怪力の女・お園がめぐり合い…という何やら珍しい趣向のお話です。浄瑠璃には珍しくと言うと語弊があるかもしれませんが、明るく爽やかなお話です。

 

②新版歌祭文 油屋飯椀の段

歌舞伎で有名な「野崎村」の、後日談にあたる場面です。

丁稚の久松は奉公先のお嬢さんのお染と恋愛関係になってしまい、地元の野崎村で待っていた許嫁のお光を尼になるほど深く悲しませました。そんなゴタゴタを経て地元から戻った久松は、今度は悪人たちに追い詰められ、さてどうなるというお話です。

 

③女殺油地獄 豊島屋油店の段

油商河内屋のドラ息子・与兵衛は、家庭内暴力で勘当された挙句、高利貸から借金までこさえて困り果てています。そこで昔からお世話になっている同業者豊島屋の若奥さんにお金を貸してくれと頼み込みますが断られ、あろうことか若奥さんを…というスリリングなお話です。

現代でも後先を考えない犯罪のニュースは後を絶ちません。人形も役者さんもいない状態でこのお話を触れると、より人間の心が際立って聞こえてくるかもしれません。

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