急に気温が下がってしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
明日の東京は2月並みの気温となるようですね。体調を崩しやすくなりますので、あたたかくして何卒ご自愛くださいませ。
このすえひろはといえば、青空文庫にて森鴎外の「ぢいさんばあさん」を発見いたしまして、さらさらと読んでみたところです!
まさに現在上演中の歌舞伎座四月大歌舞伎第三部「ぢいさんばあさん」の原作であります。とても短くてすぐに読める量ですので、未読の方はぜひお読みになってみてくださいませ。
伊織とるんの年齢に衝撃
舞台を見て、もっと感情描写が豊富な小説かと勝手に想像していたものですから、想像以上に淡々とした記述に驚きました。シンプルであるからこそ行間に想像が膨らみ、素晴らしい舞台が生まれたのだろうなあと思います。伊織とるんについて、舞台では描かれていない事情や出来事をいろいろと知ることができ、発見が数多くありました。
中でも衝撃だったのは、37年の時を経て再会した、伊織とるんの年齢です。
なんとあの総白髪のふたりは伊織72歳、るん71歳ということであります。
今月お勤めになっている玉三郎さんは71歳ですので完全な実年齢、仁左衛門さんに至っては、伊織よりも6歳も年上の78歳なのですが…?
江戸の平均寿命の短さと現代人の若返り傾向などの事情があるとはいえ、ちょっとお二人ともお若すぎではないでしょうか…?一体どうなっているのでしょうね…?
「(94年に)最初に演じた時は年老いてからの化粧に苦労した」との仁左衛門さんのお言葉が日刊スポーツに掲載されていましたが、現在でも年老いてからの化粧と素顔に相当のギャップがありますよね。すさまじい若々しさに改めて衝撃を受けました。そして、37年の時を軽々と行き来してしまう、お二人の息のぴったりと合ったお芝居のすごさに感じ入った次第です。
近代に作られた歌舞伎の演目も、原作を辿るといろいろと発見がありそうです。ボランティアの方々のおかげで著作権切れの名著を様々なデバイスで、しかも無料で読むことができる青空文庫とは本当にありがたいものですね。
青空文庫には、岡本綺堂の随筆もたくさんあるのがうれしいです。近代の芝居見物のようすがありありとわかって興奮するので、歌舞伎座の幕間などにスマートフォンで読んでいます。こちらも未読の方にはぜひにとおすすめいたします!