本日から下半期となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ようやく7月になったというのが信じられないほどの暑さが続いていますね。体調を崩しやすいどころか、命にもかかわる陽気ですから、皆様何卒お気をつけくださいませ。
このすえひろはといえば、ここぞとばかりアイスクリームを積極的に食しております。シャトレーゼでいろいろな種類を試すのが日々の楽しみで、今はマンゴーのバーがお気に入りであります。以前は、歌舞伎座の幕間にアイスを食べていました。アイスはお腹が膨れるのに眠くなりにくいという芝居の友です。早く幕間に飲食ができるようになりますように。
それはさておき、ロサンゼルスカウンティ美術館のパブリックドメインコレクションにて「車引」の浮世絵を発見して興奮いたしましたので、ご紹介いたします。
三代歌川豊国の「大芝居繁栄之図」
ロサンゼルスカウンティ美術館
安政6年(1859)出版の一枚。「菅原伝授手習鑑」より「車引」を上演中の芝居小屋のにぎわいが描かれています。
東京都立美術館の説明によれば、藤原時平に四代目小團次、松王丸に初代福助(のちの四代目中村芝翫)、梅王丸に初代河原崎権十郎(のちの九代目團十郎)、桜丸に五代目彦三郎の似顔絵が描かれているそうです。
九代目團十郎と四代目芝翫はお顔がかなりわかりやすくいので、覚えておくと浮世絵展が楽しくなります。
竹本と思われる人々がぎりぎりの場所で演奏しているのも興味深いですね。
三味線の方々は床几のようなものに座っていたのでしょうか。太夫にいたっては立っていたのかなと…
桟敷に座るおめかしした女性たちのすぐそばに、おすしかおにぎりのようなものを食べたり、煙草を吸ったりしている男性たちが見えますね。自由な観劇態度です。
舞台番の人が厳しく注意しているように見えるところを見ますと、この人々は舞台に向かって軽口を叩いたり、やじったりしているのではないでしょうか。全体的に半笑いというか、ヘラヘラした雰囲気が漂っています。対照的に女性たちの無表情が味わい深いです。
ちなみに三代豊国というのは役者絵の名手である歌川国貞のことなのですが、国貞は勝手に師匠豊国の名を三代目として名乗っていたと伝わっています。屈強なメンタルの持ち主であったようです。
参考:東京都立図書館