歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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本日初日! 平成中村座 十月大歌舞伎 2022年

本日5日より浅草は浅草寺境内にて

平成中村座 十月大歌舞伎が幕を開けました!おめでとうございます!

※写真は過去のものです

平成中村座とは、江戸時代の芝居小屋・中村座を模した仮設劇場を建てて行われる公演です。中村屋のみなさまそろい踏みの人気公演で、ドキュメンタリー番組等でもお馴染みですね。

本拠地の浅草では実に2018年以来の開催となり、令和になって初めての平成中村座の公演です。平成の世に江戸時代の芝居小屋を再現したいという勘三郎さんの思いから生まれた平成中村座が、年号を跨いでなお続いているということに胸が熱くなります。

 

今回は十月・十一月と二カ月連続の公演です。例年チケットは争奪戦となるのですが、コロナ禍ということもあってか、等級によってはまだ購入が可能のようです!

劇場の空間そのものから楽しめる公演で貴重な機会ですので、お悩みの方にはぜひにとおすすめいたします。また、後半日程になるにつれてリピーターの方が増える傾向にあります。どうぞお早めにチェックなさってみてください!

チケットはお早めに

今回は第一部が古典二本立て、第二部が近現代の演目という対照的な狂言立てです。

初めてご覧になる方のために、第一部の古典演目の内容を簡単にご紹介してみます。宮藤官九郎さんの新作が上演される第二部については、このすえひろもまだ拝見しておらずわかりませんので、見てのお楽しみですね。

 

第一部は「双蝶々曲輪日記 角力場」「極付幡随長兵衛」の二本立てです。

角力場(すもうば)」は、タイトルの通りおすもうさんたちが登場します。現代でもそうですが、江戸時代のおすもうさんというのは大スターであり、みんなに人気の花形職業であったようです。スター力士のカッコよさを存分に堪能できる名場面です。

内容としては、ベテランのスター力士・濡髪長五郎と、アマチュア力士の放駒長吉が、ある八百長疑惑により一触即発の空気になるというもの。今回はスターの濡髪を勘九郎さんが、フレッシュな放駒を虎之介さんがお勤めになります。

ドラマの起承転結を味わうのではなく、美しいワンシーンを楽しむスタイルです。前後の物語を把握しきれなくても、歌舞伎役者の方々の存在感で楽しめますのでご安心ください。

 

続く「極付幡随長兵衛」は、江戸で有名な侠客・幡随院長兵衛の、男の美学が光るハードボイルドなお話です。

内容としては、町奴の親分の幡随院長兵衛が、旗本奴とトラブルになり、抗争に巻き込まれながらも己の美学を貫くといったものです。今回は獅童さんが幡随院長兵衛を、その倅を実の御子息の陽喜さんがお勤めになります。

旗本奴というのは、武士の身分を笠に着て町人たちに嫌がらせをしたりする暴れ者の旗本たち。対する町奴は、旗本奴に対抗した町人たちの一大勢力です。不勉強ゆえイメージで申しておりますが、ヤンキー漫画のような構図なのではないかと思います。

昨今は社会の流れ的にマッチョな物語は作られにくいように思います。しかし特有のおもしろさはありますよね。ひと口に歌舞伎といっても多様な演目があります。ゴリゴリな男のドラマがお好きな方にも歌舞伎はおすすめですよ!

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

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