歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

広告

本日初日!国立劇場 令和4年11月歌舞伎公演『歌舞伎&落語コラボ忠臣蔵』

本日2日、東京の国立劇場にて令和4年11月歌舞伎公演  歌舞伎&落語コラボ忠臣蔵の幕が開きましたね!おめでとうございます!

国立劇場さよなら公演の特別企画として、歌舞伎と落語のコラボという珍しい趣向が取られています。江戸寄りの目がヒット作品である「仮名手本忠臣蔵」の名場面と、それにちなんだ落語の名作「中村仲蔵」などを取り合わせての上演です。

チケットは現在もは販売中です。仮名手本忠臣蔵は名作中の名作として知られるものですので、お悩みの方にはこの機会にぜひにとおすすめいたします。今月も無事に千穐楽まで全日程で上演が続くよう切に願っております!

仮名手本忠臣蔵の名場面

仮名手本忠臣蔵とは、元禄年間に起こった赤穂浪士の討ち入り事件を題材とした演目。元は人形浄瑠璃で上演され、歌舞伎にも移されて、270年以上にわたり愛されている日本屈指のメガヒット作品です。

いわゆる「忠臣蔵」として、テレビドラマでも受け継がれている作品群のルーツの一つであります。各時代の歌舞伎役者たちや裏方の方々、観客の反応などによって練り上げられた演出や名ゼリフの数々が魅力です。

 

仮名手本忠臣蔵は全十一弾にわたる長い長い物語ですが、今回は五段目・六段目にあたる部分のエピソードが上演されます。一言でいうと、登場人物たちのすれ違いによって生まれる悲劇です。

主人公は、主君・塩冶判官(浅野内匠頭)が松の廊下で高師直(吉良上野介)への刃傷沙汰に及んだ際、恋人のおかるとデートしていたために居合わせることができなかった、早野勘平という男。ある思い違いから運命が狂い始め、悲しい結末を迎えます。

 

落語のパートで上演される「中村仲蔵」は、この仮名手本忠臣蔵 五段目にまつわる出世譚です。

下っ端の役者として辛酸をなめていた中村仲蔵は、五段目に登場する斧定九郎という取るに足らない役を与えられます。これに一念発起した仲蔵は、衣装や動きを工夫。まったく違う演出をしてみせたところ、観客に驚きを与えたのち大評判を呼んだ…という有名なエピソードです。

下級役者の艱難辛苦、芸道へのひたむきな姿勢、しみじみと心が温まり、勇気が湧いてくるような良い噺であります。このすえひろも大好きです。歌舞伎の五段目を見る前に、落語「中村仲蔵」を聞くことができるというのは非常に贅沢な機会ですね!

歌舞伎パートの斧定九郎は歌六さんがお勤めです。「五十両…」というセリフのカッコよさ、想像しただけでしびれます。ぜひにとオススメいたします!www.ntj.jac.go.jp

Copyright © 2013 SuehiroYoshikawa  All Rights Reserved.