あさって19日は、1月に浅草の浅草公会堂で上演される新春浅草歌舞伎のチケット一般発売日です!
新春浅草歌舞伎とは、花形役者の方々による恒例のお正月公演です。近年は20代~30代の方々が中心としてご活躍で、毎年話題を呼んでいました。若手の方々が先輩の指導を受けて古典の大役を一カ月お勤めになるという大変意義深いもので、大切な伝承の機会でもあります。
新型コロナウイルスの影響や浅草公会堂の補修工事などによって2020年1月を最後に上演がなく、実に3年ぶりの開催です!補修工事により前売りでは販売されない座席や見えづらい座席ができたようですので、チケットはどうぞお早めにご検討ください。
公演の詳細
一般発売日
11月19日(土)10:00~
会期・上演時間
2023年1月2日(月・休)~24日(火)
第1部 11:00~
第2部 15:00~
休演:9日(月・祝)、19日(木)
チケット料金
1等席 9500円
2等席 6000円
3等席 3000円
浅草公会堂は、2階席・3階席ともに一列目に手すりがあり、とても見えづらいつくりでした。今回の補修工事では高めの手すりが設置されたそうで、事前に注意喚起がなされています。どうぞご注意くださいませ。
また、一部の通路側にも高めの手すりが設置されたそうで、この部分は前売りでは販売されません。代わりに当日販売が行われるそうです。
学割&訪日外国人観光客割引があります!
チケットぴあでは学割チケットの販売があります!1等席7,000円、2等席4,500円と、歌舞伎座などと比べるとかなりお手頃ですので、学生の方はぜひにとおすすめいたします。
1月2日(月)からは浅草公会堂の窓口でも学割チケットが販売されます。こちらもチェックなさってくださいませ。
また今回は、訪日外国人観光客の方への割引もあるそうです!珍しい取り組みですね!来日されるお友達がいらしtら、お誘いあわせの上いかがでしょうか。
みどころ
2020年以来の開催となる新春浅草歌舞伎!
今回も松也さんを中心とした若い世代の方々が、歌舞伎座の舞台ではまだお勤めになる機会の少ない大役に挑まれます。地域の方々の応援も熱く、観客としてもなんとも心あたたまる公演です。
第一部・第二部ともに、義太夫狂言の渋めの名作と華やかな舞踊が並んだバランスの良い狂言立てで、初めて歌舞伎をご覧になる方や学生の方にもおすすめであります。それぞれの演目について簡単にご紹介いたしますので、どちらの部をご覧になるかのご参考になれば幸いです。
第一部「双蝶々曲輪日記 引窓」は、立派に出世した義理の息子とその妻とともに幸せに暮らしているおばあさんのもとへ、とある事情から殺人犯となってしまった実の息子が訪ねてきて云々…という切ないホームドラマです。登場人物みんながそれぞれの優しさと気遣いを持っていて、どの人にも心をよせてしまうような、味わい深い物語であります。隼人さんが義理の息子・南与兵衛、橋之助さんが実の息子・濡髪、新悟さんが南与兵衛の妻お早をお勤めになります。
「男女道成寺」は、歌舞伎の名作舞踊「道成寺」のアレンジバージョンです。踊りで描き出す華やかな恋模様と、女性のフリをしていた男性が正体をあらわすおもしろさなどが見どころです。とにかく華々しい、美しい一幕です。巳之助さんが白拍子花子実は狂言師左近、新悟さんが白拍子花子をお勤めになります。
第二部「傾城反魂香」は、吃音症を抱える夫とそれを支える妻の物語。出世の道を閉ざされた絶望的な状況が、驚きの方法で打破されます。胸に迫るような切なさとともに、なんとも心温まる良い物語であります。今回は又平とおとくの夫婦を実の兄弟である歌昇さんと種之助さんがお勤めになります。さぞや息の合ったご共演になるものと思われます。
「連獅子」は、おそらく最も有名な歌舞伎舞踊です。紅白の長い毛をぶんぶんと振り回すあの踊りといえば、歌舞伎をご覧になったことのない方も広くご存知なのではないかと思います。あの有名な踊りは中国清涼山にいるという文殊菩薩の霊獣・獅子を表現したもので、生の舞台を前にしますと厳かさを感じます。
「獅子の子落とし」という伝説を描いていることもあり親子共演や兄弟共演の多い演目ですが、今回は松也さんと莟玉さんという予想外の取り合わせでこちらも楽しみです。
コロナ禍を経て浅草の風景も少し変わってしまったところへ新春浅草歌舞伎のにぎわいが戻ってくること、喜ばしい限りです。若い方々が義太夫狂言に挑む機会が生まれることも本当にうれしいです。このすえひろも心待ちにしております!