来たる14日(水)は1月の歌舞伎座公演
歌舞伎座新開場十周年
壽 初春大歌舞伎のチケット一般発売日です!
いよいよ歌舞伎座の座席が花道の横まで全席発売になります。幕間の食事や大向こうの再開など、歌舞伎座の風景も以前のものにかなり近づいていてうれしく思います。この調子で客席のにぎわいが安定して続いていくことを願っています。
お正月の公演は初めて歌舞伎をご覧になる方や、遠方から旅行に来られた方にも人気があるように見受けられますので、チケットはお早目の確保をおすすめいたします!
公演の詳細
一般発売日
12月14日(水)10:00~
会期・上演時間
2023年1月2日(月・休)~27日(金)
第一部 11:00~
第二部 14:15~
第三部 17:45~
休演日:10日(火)、19日(木)
貸切:6日(金)第一部
チケット料金
一等席 16,000円
二等席 12,000円
3階A席 5,500円
3階B席 3,500円
1階桟敷席 17,000円
歌舞伎座の感染対策
歌舞伎座では長らく徹底した感染対策が取られてきましたが、近ごろ客席やロビーでのお食事が黙食にて解禁され、大向こうも復活しました!芝居見物の楽しみは元の状態にかなり近づいています。残すところは一幕見席の復活ですね。初めての方にもコアな方にも良いシステムでしたので、復活を願ってやみません。
ともあれ歌舞伎座の感染対策はこれまで非常に厳格に守られ、我々観客の健康をしっかりと守っていただいてきましたから、今後も提示のとおりに取り組んでまいりましょう。
おすすめのポイント
お正月の歌舞伎座では、歌舞伎座十周年の幕が開きます。各部に幕末から明治にかけて活躍した名作者・河竹黙阿弥の作品が並んでおり、大人気作から珍しい作品まで味わえるおもしろい趣向です。河竹黙阿弥作品は七五調による独特のセリフが魅力で、目からも耳からも歌舞伎を味わえる事と思います。
お正月公演は独特の祝祭感があり配役も豪華ですから、初めての方にもおすすめです。各部の内容をごく簡単にご紹介いたします。
第一部は、「卯春歌舞伎草紙」から幕開け。歌舞伎の創始者として知られる出雲の阿国の一座による華やかな舞踊です。テレビドラマでもお馴染みの猿之助さんや愛之助さん、勘九郎さん七之助さんの中村屋ご兄弟がそろい踏みですから、初めての方にも安心かと思います。
続く「弁天娘女男白浪」は、河竹黙阿弥の大人気作です。美貌の盗賊・弁天小僧菊之助が、女性のフリをして呉服屋さんに万引きに入る…という魅力あるシチュエーションを描きます。男だとバレてしまった弁天小僧の名乗りのセリフ「知らざぁ言って聞かせやしょう…」が大変有名です。
今回は愛之助さんが主役の弁天小僧、勘九郎さんが相棒の南郷力丸をお勤めになります。なかなか珍しい取り合わせではないかなと思い、このすえひろも楽しみにしております!
第二部は、舞踊劇「壽恵方曽我」。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場した曽我五郎・十郎兄弟による工藤祐経への敵討ちを題材とした演目です。曽我兄弟は江戸時代の人々から信仰を集め、おめでたい場面に欠かせない存在となりました。隈取や派手な衣装など歌舞伎らしいようすが存分に味わえる一幕です。
今回は幸四郎さんと猿之助さんが曽我兄弟をお勤めになります。今月休演なさっている白鸚さんがご出演の予定ですので、どうかご無理なく戻られますようにと祈っています。
続く「人間万事金世中」は、河竹黙阿弥が明治時代を描いた珍しい演目。イギリスの戯曲「money」を題材とした異色の喜劇です。いわゆる「散切り物」と呼ばれ、近年の歌舞伎座の舞台ではなかなか見られない時代設定の作品といえます。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で北条時政をお勤めになり、一躍お茶の間の人気者となられた彌十郎さんが主役をお勤めになることで話題を呼んでいます!今後のご活躍に大変楽しみです!
第三部は、「通し狂言 十六夜清心」。こちらも河竹黙阿弥の人気作です。僧の清心と遊女の十六夜が道ならぬ恋の果てに心中を実行。二人で川に身を投げたものの、それぞれが流れ流れて助かってしまい、運命が狂った果てに云々…という退廃的なラブストーリーであります。世話物と呼ばれる江戸時代における現代ドラマで、セリフが口語的で聞き取りやすいため、初めての方にもおすすめです。
清心は幸四郎さん十六夜は七之助さんがお勤めになりますので、まさに美男美女という取り合わせ、うっとりすること請け合いです。
どの部もおすすめなのですが、初めての方に特におすすめしたいのは「弁天娘女男白浪」の上演される第一部です。名作中の名作とされていますし、上演頻度も比較的高いので、映像や生の舞台にて他の配役の舞台と見比べる楽しみがあります。
歌舞伎は何度も何度も同じ演目が繰り返し上演されている世界なので、時間が貴重なこの時代には「一回見ればいいや」と思われる方も大勢おいでかと思います。しかしながら同じ演目であるからこそ、役者さんによる違いが際立っておもしろいという面もあります。古くから残っている演目というのは見るたび新たな発見のあるものも多いので、ぜひご覧になってみてください。