本日26日は歌舞伎座で上演されていた十三代目 市川團十郎白猿襲名披露 八代目 市川新之助初舞台 十二月大歌舞伎の千穐楽でしたね!おめでとうございます!
※写真は先日のものです。
白鸚さんがご復帰に!
新型コロナウイルスの感染はいまだ収まらない状況ですが、團十郎襲名という大切な大切な興行が先月に引き続き一日も公演中止とならずに千穐楽を迎えたのは本当に素晴らしいことですね。大向こうの声や幕間の食事も戻り、うれしい限りです。
また今日は、先月より体調不良にて白鸚さんが舞台にご復帰になったといううれしいニュースがありましたね!本日ご覧になったお客様のお喜びはもちろんのこと、團十郎さんも左團次さんもさぞやほっとされたことであろうと思います。私自身も非常に心配しておりました…本当によかったです。
とはいえ、歌舞伎座と南座で何度か体調不良による休演の報がいくつかもたらされたのは大変心配なことでした。今年は急激に寒くなりましたから、皆様ご無理のないようにと祈っております。
ともあれ、新型コロナウイルスの影響で、歌舞伎役者の方々が体調不良で速やかに舞台をお休みできるようになったのは良いことだなあとお見受けしています。常人には信じられないほどのご無理をなさるのが当然のようになっていた職業だと思いますから、それによる弊害も想像に難くありません。新型コロナウイルスの感染収束後も、大事をとった体制が続くとファンとしても安心ですがどうなるでしょうか。
それはさておき、今月の舞台で思い出深いのはやはり團十郎案の助六と玉三郎さんの揚巻でしょうか。お二人のツーショットの麗しさたるや、夢のようでした…。絵などから抱いてきた助六揚巻のイメージが目の前に具現化されたようだったと申しますか、とににかく現実感のない2時間にうっとりのし通しでありました。
玉三郎さんの揚巻は、くだけた口調の部分がごく自然でありながらも、それによって揚巻の存在が矮小化されるのでは決してなく、歌舞伎らしいスケール感が十二分に発揮されていて驚くばかりでした。先月の白玉の初々しさに驚いていたばかりでしたので。立場は言うまでもなく、人物の放つ存在感までもを細かに操り、自在に行き来するさまを目の当たりにし、玉三郎さんの芸の力の凄まじさを改めて実感したような思いであります。
このご時世のなかで、当代における最高の役者さんたちがずらりと居並んだ「助六由縁江戸桜」を、二カ月連続で拝見できたということ。この上の贅沢はなかろうと思います。今後の人生において忘れられない舞台の一つになるはずです。数十年ののち映像などで拝見し、懐かしく思う日が来ることを楽しみにしています。
これまでに代々の團十郎の助六を、浮世絵、映像、生の舞台で拝見しました。それらと寸分たがわず同じことをなさっていながら、そのどれとも違ったご本人だけのまばゆい輝きを見れば、やはり心は動きます。歌舞伎の苦境と世代交代、時代の転換点に置かれていることを実感し、寂しさから過去に目を向けたくなってしまう思いもありますが、今後数十年の時を経てどのような團十郎となられるのかを、楽しみに拝見していきたいです。