本日1月5日より大阪道頓堀の大阪松竹座で、坂東玉三郎×鼓童 初春特別公演 幽玄が始まりましたね。おめでとうございます!
近ごろは特別公演と題して全国の劇場の舞台に精力的に立たれている玉三郎さん。この春は三月・四月と続けて東京の歌舞伎座へのご出演が発表されていますので、今月以降玉三郎さんの関西でのお出ましは少し期間が空きそうです。
チケットはまだ購入可能なようです。せっかくの機会ですから、迷っておいでの方にはぜひにとおすすめいたします!
坂東玉三郎×鼓童 初春特別公演 幽玄
今回上演される『幽玄』は、能の代表的な演目「羽衣」「石橋」「道成寺」を題材とした舞踊作品。題材となっている演目はどれも日本各地の伝説に基づいたものです。それぞれ簡単にお話いたします。
羽衣
三保の松原の羽衣伝説。天女の羽衣を見つけた漁師が、お宝にするためにそれを持ち帰ろうとすると、天女から返してほしいと頼まれます。漁師がこれを断ると、天に帰れないと悲しむ天女。人の良い漁師は天女がかわいそうになり、羽衣を返す代わりに、舞を見せてもらうことにするのでした。
石橋
中国清涼山にいるという文殊菩薩の霊獣・獅子の伝説。そこには深い谷があり、石の橋がかかっています。しかしそれはあまりにも狭く、そして長く、とても人が渡れるようなものではありません。唐天竺をめぐるお坊さんがそこを訪れると、橋の向こうから獅子が現れ、咲き誇る牡丹の花と戯れるのでした。
道成寺
紀州道成寺に伝わる安珍清姫の伝説。釣鐘の供養をしている最中に、ある白拍子が乗り込んできます。実はこの白拍子、かつて毎年訪れていた旅の僧に想いを寄せ、一方的に「裏切られた」と思い込んだ挙句に蛇と化し、釣鐘に逃げ込んだ旅の僧を恨みの炎で焼き尽くしてしまった女の化身だったのです。
伝説の非現実感が玉三郎さんと鼓童の方々の生み出す世界とマッチした、まさに「幽玄」の舞台です。普段の歌舞伎では味わえない独特の世界ですので、迷っておいでの方にはぜひにとおすすめいたします!