歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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一月をふりかえり… 2023年

早いもので一月も今日でおわり…

今月は東京だけでも四つの劇場で歌舞伎公演があり、大変芝居に忙しいひと月でした。今年は新春浅草歌舞伎も復活しましたし、こんなに芝居に忙しいお正月はなんだか久々なように思います。とてもうれしく心躍りました。

今年で歌舞伎座は新開場10周年

歌舞伎座休場中のさびしさを思いますと、たくさんの劇場で歌舞伎公演が行われているというのは本当にありがたいことですね。今年は歌舞伎座新開場10周年の記念すべき年ですから、素晴らしい企画が次々に展開していくことを期待しています。歌舞伎公演が益々盛り上がりますように。

 

今月の芝居を振り返ってみますと、思い出深いのは古典に取り組むお若い方々のご活躍です。3年の間にめっきり役者ぶりを上げられた新春浅草歌舞伎メンバーの方々や、演舞場のSANEMORIにジャニーズのアイドルグループSnowManから参加されていた宮舘涼太さんの見事な所作などなど、輝かしく思い出されます。

これは出演者の皆様がお若いから、華々しいから、目新しいからでは決してないのです。皆様のご活躍によって「古典そのもののおもしろさに改めて気づかされたから」に外なりません。お若い方々が、はるか遠くに浮かぶ完成形に向かって食らいつくように真摯に挑む姿に、なんとも言えず感動したのです。皆様の前には必ず、偉大なる先人がいるのですよね。

 

若い世代の役者さんたちが古典に取り組む姿の後ろに、これまで拝見していた仁左衛門さんや吉右衛門さんはじめ名優の方々の芝居が残像のように浮かんできて、舞台の上の物語の世界がさらに奥行を持ったと申しますか。歌舞伎、並びに古典演目というのは、なんと難しくておもしろいものなんだろうと深く感じ入りました。

客席の入りと舞台の魅力は直結の関係では決してありませんから、皆様にはこの時代をなんとか乗り越えていただきたいです。そのためにも、微力ながらこつこつと劇場へ足を運んでいこうという決意を新たにしました。

 

さて、来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今夜は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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