来たる13日、国立劇場 令和5年3月歌舞伎公演『一條大蔵譚・五條橋』のチケット一般発売が始まります!
現在の第一期国立劇場は、今年の秋に建て替えのための閉場が予定されています。国立劇場のロビーや食堂の風景には、新しい劇場にはない昭和レトロな風情があり、若い世代の方にとっても大変魅力的に映るのではないかなと思います。残念ながら近く取り壊されてしまいますので、日ごろ歌舞伎をご覧にならない方もこの機会にぜひおすすめしたいです。チケットは早めのチェックをおすすめいたします!
公演の詳細
発売
2月13日(月) 10:00~
会期・上演時間
2023年3月3日(金)~2023年3月27日(月)
12:00~
17・24日(金)は17:00公演あり
休演:10日(金)・20日(月)
チケット料金
1等席 8,000円(学割5600円)
2等席 5,000円(学割3500円)
3等席 3,000円(学割2100円)
みどころ
3月歌舞伎公演の演目は、名作「鬼一法眼三略巻」より一條大蔵譚・五條橋の場面が上演されます。
鬼一法眼三略巻というのは、平清盛が栄華を極める平家全盛の世において、人知れず源氏の再興を願う人々のドラマチックな駆け引きを描いた物語です。のちに平家を滅ぼす名将・源義経となる少年牛若丸が、五條橋において生涯の忠臣・弁慶と出会う名シーンは、日ごろ歌舞伎をご覧にならない方もご存知かもしれません。
そんな鬼一法眼三略巻のなかでも名場面として繰り返し上演されているのが「一條大蔵譚」です。お話をざっくりとご紹介しますと、このようなものです。
①牛若丸の母・常盤御前は、夫の源義朝を討たれたにもかかわらず平清盛の妾となり、挙句の果てには阿呆で有名な一條大蔵卿のもとへ嫁がされる。
②源氏再興を目指す吉岡鬼次郎とその妻は、常盤御前の本心を確かめるため、一條大蔵卿の館でスパイ活動を行う。
③鬼次郎夫妻から責められた常盤御前だったが、実は密かに平家打倒を願っていたことが明らかになる。
④阿呆に見えた一條大蔵卿も、知られざる本性を隠していた…
一條大蔵卿の役どころは「作り阿呆」というものです。遊んでばかりの阿呆を表面的に装うことで、源氏再興を見届けるまで乱世を生き抜こうという信念を秘めた非常に味わい深い役どころであります。
おととしこの世を去られた吉右衛門さんの当たり役のひとつとして知られており、今回はゆかりの深い又五郎さんが初役でお勤めになります。また今回はあまり上演されることのない「曲舞」の場面も併せて上演されるとあって、初めての方はもちろんのこと歌舞伎をお好きな方も必見です。このすえひろも大変楽しみです…!
今回の公演は歌舞伎公演のなかでは比較的リーズナブルな価格設定で、「歌舞伎名作入門」と題して解説パートもあるようです!必要な情報は事前に解説がありますので、初めての方もどうぞ安心してお出かけくださいませ。