歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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四月をふりかえり… 2023年

早いもので四月も今日でおわり…

今月は、昨年より待ち侘びていたニザ玉の切られ与三が実現し、万感の思いでした!

   

しかしながら月初には、仁左衛門さんの体調不良による休演および上演中止があり、ご健康への不安の募るひと月でもありましたね。

また左團次さんの訃報ももたらされ、白鸚さんのラマンチャの男の千穐楽でのお疲れのごようすなどを伝え聞いたりして、いつまでもお元気だと思っていたベテラン勢の方々の元にも時は確実に流れているんだなということを思い知らされました。

 

特に左團次さんの訃報は、80代というご年齢でがんと闘いながら、舞台の予定は2カ月先までしっかり入っていたという状況に驚いています。

舞台の予定が張り合いになりお元気でいられるという方もいらっしゃるだろうとは思うものの、文字通りに命を削って舞台に立たれていたのだと思うと何とも申し訳ないような思いに駆られてしまい、なんともいえずつらいです。長きにわたり舞台に立ってくださっていたからこそ見ることができた世界は山ほどあり、感謝の念でいっぱいではありますが、心はやはり痛みます。

体調を崩されたらしっかりとお休みになっていつまでもお健やかでいらしてほしいという思い、ご本人の思いのまま悔いなく舞台を全うしていただきたいという思い、単純にたくさんのお芝居をまだまだ拝見したいという思い、さまざまな思いで葛藤しており、答えが出そうにありません。

 

私事ですが、今月は21年の歳月をともにした最愛の猫を亡くしました。

看病と介護に明け暮れていて、歌舞伎座昼の部の新陰陽師は見逃してしまいました。しかし、楽しみにしていた夜の部のチケットを取っていた日はたまたま猫の調子が良かったりして、奇跡的に全ての日程で拝見できたのですね。また、中旬に旅立っていったために、無理かなと思っていた文楽の吉野川も見ることが叶いました。

猫という生き物は、不思議と自分なりのタイミングを見計らって旅立つということを聞いていたので、芝居狂の家族に最大限計らってくれたのかなと思います。感謝してもしきれません。

 

来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今夜は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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