歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【来たる14日】歌舞伎座・七月大歌舞伎 チケット一般発売! 2023年

来たる14日(水)は7月の歌舞伎座公演

歌舞伎座新開場十周年
七月大歌舞伎のチケット一般発売日です!

2013年4月に開場した現在の歌舞伎座の十周年記念公演も早くも後半戦に入りますね。当初の予定から配役の変更がありますが、上演される運びとなり安堵いたしました。おつらい方も大勢おいでのことと思います。少しでも癒しがあることを祈っております。

今回の七月大歌舞伎はテレビでもお馴染みの方々がご出演ですので、初めての方にも大変おすすめです。チケットはお早目の確保をおすすめいたします。

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

一般発売日

6月14日(水)10:00~

【チケットWeb松竹】

会期・上演時間

2023年7月3日(月)~28日(金)

昼の部 11:00~
夜の部 16:00~
休演日:10日(月)、19日(水)

チケット料金

一等席        18,000円
二等席   14,000円
3階A席     6,000円
3階B席      4,000円
1階桟敷席  20,000円

六月大歌舞伎から、一部事前予約制の一幕見席が復活しています。お手頃な3階席のチケットは早めに埋まってしまいますが、幕見席があればチャンスが大きく広がりますね。このすえひろも先日出かけてまいりましたが、とても便利でありがたいシステムだなとつくづく思いました。未体験の方はぜひお試しくださいませ。

おすすめのポイント

七月大歌舞伎は、昼の部で澤瀉屋ゆかりの演目、夜の部では團十郎さんが大活躍という華やかな狂言立てです。夏の到来を感じます。

特に夜の部では「め組の喧嘩」が久しぶりに上演されます。演出が変わる可能性もありますが、出演者が多くコロナ禍では上演の難しい演目だったと思いますので、久しぶりに拝見できることがとてもうれしいです。江戸時代に来たような感覚を味わえる演目ですから、初めての方にも大変おすすめです。

 

各部の内容と見どころを簡単にご紹介いたします。

昼の部は「通し狂言 菊宴月白浪」。三代猿之助四十八撰に数えられている澤瀉屋ゆかりの演目です。猿之助さんは休演され、代役として中車さんが主役の斧定九郎をお勤めになります。客席の上を役者さんが飛ぶ宙乗りの演出もあり、華やかな舞台になりそうです。

江戸の鬼才・鶴屋南北の作品で、いわゆる赤穂浪士の討ち入りを描いた「仮名手本忠臣蔵の後日談」というスタイルです。南北と言えば奇想天外な作風でお馴染みですので、オリジナルの仮名手本忠臣蔵とはかなり違うのではないかと思われます。

主役の斧定九郎というのは、仮名手本忠臣蔵のワンシーンにだけ登場する人物です。しかも「五十両…」という一言のセリフしかないのですが、だからこそ強烈な印象を残す人気キャラでもあります。

仮名手本忠臣蔵では裏切り者の父親ですら勘当するほどのワルでしたが、この作品では忠義者のようです。これはどういうわけか、このすえひろも初めて拝見しますので非常に楽しみです!

 

夜の部は「神霊矢口渡」「め組の喧嘩」「鎌倉八幡宮静の法楽舞」という狂言立てです。

神霊矢口渡」は、エレキテルでお馴染みの平賀源内が福内鬼外というユニークな名前で手掛けた義太夫狂言。強欲でモラルのない父親・頓兵衛に日々苦しめられている娘・お舟が、好きな人のために一念発起して、命がけで父に反抗するというハードなお話です。今回はお舟を児太郎さん、渡し守頓兵衛を男女蔵さんがお勤めになります。

 

続く「め組の喧嘩」は、江戸時代のスター職業である鳶と力士が、周囲の人物を大勢巻き込んで徒党を組み、バチバチの決闘をする…というこちらもハードなお話です。ヤンキー漫画の抗争のようなイメージでしょうか。血の気の多い江戸っ子たちが、互いの美学のためにやり合う姿は妙にスカッとしますので、暑い夏にはピッタリかと思います。

主役のめ組辰五郎を團十郎さんが、喧嘩相手の力士・四ッ車大八を右團次さんがお勤めになります。迫力がありそうですね!

 

最後の「鎌倉八幡宮静の法楽舞」は、九代目團十郎が制定した新歌舞伎十八番の内のひとつ。九代目團十郎の歿後120年を記念し、当代の團十郎さんとぼたんさん新之助さんのご一家で上演されます。内容としては、荒れ寺にあらゆるお化けが集合してくるという楽しげなもので、こちらも夏らしいですね。たくさんの役の早替わり、踊り分けが楽しめそうです。

 

初めての方にはどちらの部も同じくらいおすすめですが、今後長く歌舞伎をご覧になりたいとお考えの方には夜の部がおすすめかなと思います。昼の部よりも演目の上演頻度が比較的高いので、同じ演目を違う配役で楽しむことができます。次の上演がいつなのかなどは全くわからないのですが、先々の楽しみとなるのではないでしょうか。

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