歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【来たる14日】歌舞伎座・十二月大歌舞伎 チケット一般発売! 2023年

来たる14日(火)は12月の歌舞伎座公演

歌舞伎座新開場十周年

十二月大歌舞伎のチケット一般発売日です!

一年間は早いもので、歌舞伎座新開場十周年を記念する十二カ月の公演もこれにて幕となります。例年十二月は目新しい趣向の演目が上演される傾向にあるのですが、今回は飛び抜けて斬新な趣向かと思います。現代の最新技術を導入した「超歌舞伎」がいよいよ歌舞伎座の舞台で上演されるとあって、大きな話題を呼びそうです。チケットは早めの確保をおすすめいたします!

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

一般発売日

11月14日(火)10:00~

【チケットWeb松竹】

会期・上演時間

2023年12月3日(日)~26日(火)

第一部 11:00~
第二部 14:45~
第三部 17:45~
休演日:11日(月)、19日(火)
貸切:第一部:15日(金)、24日(日)

チケット料金

一等席        16,000円
二等席   12,000円
3階A席     5,500円
3階B席      3,500円
1階桟敷席  17,000円

六月大歌舞伎から、一部事前予約制の一幕見席が復活しています。3階席のチケットは早めに埋まってしまいますが、幕見席のおかげでお手頃に歌舞伎を見るチャンスが大きく広がりました!未体験の方はぜひお試しくださいませ。

おすすめのポイント

十二月大歌舞伎は三部制でそれぞれにまったく味わいの異なる目新しい演目が並んでいますので、各部さまざまな客層の方が訪れるのではないかと思います。歌舞伎の世界がより広がるのではないかと楽しみにしております。

私自身も初めて見る演目が多いのですが、今回歌舞伎そのものを初めてご覧になる方もおいでかと思いますので、各部の内容をごく簡単にご紹介いたします。

 

第一部は「旅噂岡崎猫」「今昔饗宴千本桜」というラインナップです。

旅噂岡崎猫」は、岡崎の化け猫伝説を題材とした「獨道中五十三驛」という演目の名場面を補綴したもののようです。先日亡くなられた猿翁さんによって復活上演された澤瀉屋ゆかりの演目で、近年も猿之助さんによって繰り返し上演されていました。十二単を着た化け猫という奇想天外な設定が有名で、衝撃を受けること間違いなしの舞台です。今回は巳之助さんがおさん実は物の怪をお勤めになります。

今昔饗宴千本桜」は、最新鋭技術のもと獅童さんがバーチャルシンガーの初音ミクさんと共演するというこちらも奇想天外な趣向の演目。イベント「ニコニコ超会議2016」で初演されて以来、各地で上演を重ねています。ペンライトや大向うなど独特の劇場文化を形成するに至っているようで、私自身も未体験のため非常に楽しみにしております!

 

第二部は「爪王」「俵星玄蕃」というラインナップです。

爪王」は、狐VS鷹というファンタジックな舞踊劇。中村屋ゆかりの作品で、勘九郎さんと七之助さんのご共演で拝見できる貴重な機会です。歌舞伎の舞台には人間が動物を表現するための独特の演出がたくさんありますので、歌舞伎の魅力にあふれた舞踊が見られるのではないかと思います。

俵星玄蕃」は、赤穂浪士の討ち入り事件にまつわる講談「赤穂義士外伝」などでも知られている有名エピソードの歌舞伎化です。討ち入り実現のため蕎麦屋になりすましてスパイ活動をしていた赤穂浪士の杉野十平次と、槍の名手・俵星玄蕃の交流を描きます。今回は主役の俵星玄蕃を松緑さんがお勤めになります。

松緑さんによる講談の歌舞伎化は昨年も行われ、「荒川十太夫」という作品が上演されて好評を博しました。「荒川十太夫」は素晴らしい作品でしたので、今回も胸に沁みわたる名作を見せてくださるのではないかと期待しております。

 

第三部は「猩々」「天守物語」というラインナップです。

猩々」は、能をもとにした霊獣・猩々の舞踊です。猩々というのはとにかくお酒が好きらしく、しこたま飲み、酔い、楽しく踊るという愉快な内容です。けれども、酔っ払いのダンスのようなものでは決してありませんで、非常に格調高い舞踊でもあります。一体どういうことか、というのはぜひ舞台で体験していただきたいところです。今回は松緑さん、勘九郎さん、種之助さんという舞踊の名手が揃っていますので、ぜひにとおすすめいたします。

天守物語」は、泉鏡花の名作戯曲として大変有名な作品です。姫路城の最上階には人の世とは別の世界があり、美しい主・富姫が暮らしている、そこへ麗しき青年・図書之助が足を踏み入れ…というファンタジー映画のような世界観の物語であります。

今回は長らく富姫をお勤めになってきた玉三郎さんの演出による上演で、大変注目されています。富姫を七之助さんがお勤めになり、玉三郎さんは富姫を慕う亀姫としてご出演というのも楽しみな趣向です。

 

初めての方にはどの部もオススメなのですが、個人的には第三部をおすすめしたいなと思います!「天守物語」は、性別のみならず種族をも超越する、歌舞伎ならではの美しさが存分に味わえる一幕かと思います。玉三郎さんのご出演も貴重な機会ですのでぜひにとおすすめいたします!

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