来たる10日(水)より、2月に名古屋の御園座で行われる
市川海老蔵改め 十三代目 市川團十郎白猿襲名披露
八代目 市川新之助初舞台
二月御園座大歌舞伎のチケット一般発売が始まります!
当初2020年の予定が延期となり、2022年11月の歌舞伎座から始まった團十郎襲名披露興行も、全国津々浦々を巡りいよいよ名古屋に到達します。江戸歌舞伎の大名跡の襲名披露興行も今年の数興行を残すのみですので、ご興味をお持ちの方にはぜひにとおすすめいたします!
公演の詳細
一般発売日
2024年1月10日(水) 10:00~
会期・上演時間
2024年2月1日(木)~17日(土)
昼の部 11:00~
夜の部 16:00~
休演:5日(月)、13日(火)
チケット料金
S席 24,000円
A席 20,000円
B席 15,000円
C席 9,000円
D席 4,000円
みどころ
御園座 二月御園座大歌舞伎は、市川海老蔵改め 十三代目 市川團十郎白猿襲名披露 八代目 市川新之助初舞台と冠した記念の公演です。團十郎さん、新之助さんを中心とした成田屋ゆかりの方々に、梅玉さん雀右衛門さんといったベテラン勢が顔を揃えています。これまでの襲名披露興行では團十郎家ゆかりの演目である「歌舞伎十八番」の比重が非常に高かったのですが、今回はそれ以外の演目も含まれて少し趣向が変わったようです。
さらに驚くべきは、夜の部「歌舞伎十八番の内 勧進帳」に菊之助さんがご出演になることです。かつて「平成の三之助」と呼ばれて注目されたお二人ですが、襲名披露興行でのご共演は昨年の歌舞伎座以来と記憶しております。近年なかなか拝見できませんので貴重です。
今後の歌舞伎界を担う同世代のお二人による名作「勧進帳」は本当に必見だと思いますので、ぜひにとおすすめいたします。願わくば近いうち歌舞伎座でも上演していただきたいです…!
では襲名披露演目それぞれのポイントを、ごく簡単にご紹介いたします。
昼の部は「歌舞伎十八番の内 外郎売」。團十郎さんご子息の八代目新之助さんによる初舞台として上演されます。内容としては、親の仇を討とうと企む若武者が、外郎売りに扮して敵に近づき、早口の良い立てを見事に披露するというものです。
幼い新之助さんが見事な言いたてを披露しているようすはこれまでもテレビで盛んに報じられてきましたが、公演回数を重ねるごとにレベルアップなさっていて必見です。
そして続く「義経千本桜 吉野山」では、團十郎さんが佐藤忠信実は源九郎狐、雀右衛門さんが静御前をお勤めになります。義経千本桜は義太夫狂言と呼ばれるジャンルにおいて、三大名作の一つとして知られる大変有名な演目です。長い物語のうち、桜の花咲く吉野山をゆく道行舞踊の場面が「吉野山」として上演されています。
内容をざっくりと申しますと、都を追われた義経が、愛妾・静御前のお供に付けた侍の正体は狐だった。しかし静御前はまだそれを知らない…というようなミステリアスなものです。今回の襲名披露興行においては比較的珍しい部類の襲名披露演目ですので、こちらも必見です。
夜の部は「歌舞伎十八番の内 勧進帳」。團十郎さんが武蔵坊弁慶、菊之助さんが富樫左衛門、雀右衛門さんが源義経をお勤めになります。幕切れに弁慶が花道を駆け去っていく「飛び六法」で大変有名な演目で、團十郎さんの眼力みなぎる弁慶をテレビ番組やCMなどでご覧になっている方も多いのではないかと思います。
内容をざっくりと申しますと、①都を追われた義経は、山伏一行の荷物持ち(強力ごうりき)に変装して、陸奥へと決死の逃避行を行っている。②しかし、富樫左衛門が関守を務める安宅の関で厳しい詮議を受けることになる。③一行を率いる武蔵坊弁慶は、主君・義経を守り抜くためにウソで固めた決死の大勝負に出る…というものです。弁慶の心に触れ、義経の正体を見抜きながらも、わが身を捨てて見逃す覚悟を固める富樫。人間ドラマの最高到達点だと思います。
初見では少し難しい部分もある演目なのですが、見れば見るほどに味わい深く、美しい音楽と人間ドラマが融合した名作中の名作ですので、ぜひ一度ご覧いただきたいです。
さらに夜の部には裃姿の役者さんがズラリと並ぶ圧巻の「口上」もあります!テレビなどでも放送される有名なシーンですが、襲名披露の機会などでなければ見られないものですので、この機会にぜひお出かけくださいませ。