あさって20日は、3月に名古屋の同朋学園で上演される
十八世中村勘三郎十三回忌追善
名古屋平成中村座 同朋高校公演のチケット一般発売日です!
平成中村座は、江戸時代の芝居小屋・中村座を模した仮設劇場を建設して行われる公演。本拠地の浅草をはじめ、これまでに海外を含む各地で催されています。今回は同朋高校の体育館を使っての公演です。
同朋高校での上演は、2006年に行われた十八代目中村勘三郎襲名披露以来とのことで、今回は十三回忌追善としての開催になります。その間18年しかないということは、十八代として舞台に立たれた期間がいかに短いかを物語っているようですけれども、今も思い出が鮮烈です。
今回は公演期間も短く、いつにも増してチケット入手が厳しくなると思われますので、ご検討の方はどうぞお早めにチェックなさってくださいませ。
公演の詳細
一般発売日
1月20日(土)10:00~
今回はチケットweb松竹のほか、東海テレビチケットセンターなどプレイガイド取扱が豊富です。
会期・上演時間
2024年3月6日(水)~18日(月)
第一部 11:00~
第二部 15:30~
休演:12日(火)
チケット料金
1等席 14,500円(座布団)
2等席 13,500円(前方:座布団 後方:椅子)
今回は体育館を使っての上演ですので、いつもの平成中村座とは違って花道がありません。座席数もそう多くないのではないかと思います。お早目の確保をおすすめいたします。
みどころ
平成の世に江戸時代の芝居小屋を再現したいという、十八代勘三郎さんの思いのもと生まれた一大プロジェクトである平成中村座。今回は初代猿若勘三郎生誕の地・名古屋で、同朋高校の体育館を使って上演されます。
※写真は過去浅草で上演された際の平成中村座です
今回初めお出かけになる方もいらっしゃることと思います。各部の演目をごく簡単にご紹介いたします。
第一部は「弁天娘女男白浪」「新古演劇十種の内 身替座禅」の二本立てです。
「弁天娘女男白浪」は、幕末期に活躍した名作者・河竹黙阿弥の代表的な作品です。
簡単に申しますと、どろぼう集団に所属する弁天小僧菊之助という美少年が、女装をして呉服屋に潜入し、因縁をつけて金をせしめんとするお話であります。世情が混迷を極める2024年の今、ネットニュースになっていてもおかしくないような退廃的な内容ですね。弁天小僧の正体が男だとバレるシーンの「知らざあいって聞かせやしょう…」という名セリフが有名で、歌舞伎らしい音のおもしろさを体感できます。今回は弁天小僧を七之助さんがお勤めになります。
「新古演劇十種の内 身替座禅」は、嫉妬深い恐妻に浮気がバレてしまう夫という古風な笑いの舞踊劇です。内容的に今後なかなか通用しなくなっていくかもしれませんが、こうした内容を清潔なおかしみをもって見せるのも役者さんのスゴ技ですので、ぜひ上演が続いてほしいと願っています。今回は浮気がバレる夫を勘九郎さんが、恐妻を扇雀さんがお勤めになります。
第二部は「義経千本桜 川連法眼館」「二人藤娘」の二本立てです。
「義経千本桜 川連法眼館」は、三大狂言の一つとして知られる名作中の名作・義経千本桜の中でも、特に人気のある名場面です。四の切(しのきり)という通称で知られています。都を追われた義経が静御前に託した鼓は狐革製で、その狐の子供が親を慕って義経の家臣・佐藤忠信に化け、静御前のお供をしていた。しかし遂にその正体がバレてしまい…というファンタジックなお話です。年齢性別のみならず、種族をも超えてしまうのが歌舞伎のおもしろいところではないかと思います。今回は佐藤忠信実は源九郎狐を勘九郎さんがお勤めになります。
「二人藤娘」はその名の通り、舞踊の名作・藤娘を二人で踊るという趣向の演目です。藤娘は、可憐な少女の姿をした藤の花の精が、恋心を美しく愛らしく踊り描く舞踊です。七之助さんと鶴松さんのお二人でお勤めになります。