ただいま新国立劇場で上演中の令和6年初春歌舞伎公演。
半蔵門の初代国立劇場が昨年閉場し、新天地で初めてのお正月上演。例年どおり、菊之助さん菊五郎さんを中心とするお顔触れが揃っています。場所は変わっても、菊五郎さんのお名前を拝見しますと国立劇場のお正月だなあと感じます。
上演されている「梶原平三誉石切」は比較的上演頻度の高い演目で、過去にこのブログでもお話しておりますので、ここにひとつまとめておきたいと思います。芝居見物の予習復習などのお役に立つことができれば幸いです。
そもそも梶原平三誉石切とは?
梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)は、1730年(享保15年)に人形浄瑠璃→歌舞伎として初演された演目。源平合戦の時代を舞台とし、源頼朝が平家討伐のために挙兵するまでを描い長いお芝居の一場面のはずでしたが、現在は今月上演の名場面のみの上演が主流です。
源平とはいっても知識がないと楽しめないというものではなくて、「ただひたすらにカッコいい梶原平三景時」を堪能するだけでも十分に満足できるという歌舞伎らしい演目です。
そんなカッコいい梶原が物語の終盤で、石でできた手水鉢を刀でパカーンと割るというシーンが歌舞伎の名場面として知られており、「石切梶原(いしきりかじわら)」という呼び名でも通じます。
以前のお話で簡単なあらすじがまとめてありますので、ご一読いただければ幸いです。