歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい矢の根 その五 團十郎家と「矢」の御利益

ただいま歌舞伎座で上演中の七月大歌舞伎
昼の部「矢の根」について、少しばかりお話しております。

初めてご覧になった方のお役に立てればうれしく思います。

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市川團十郎と「矢」の御利益

お正月の初詣で、神社にお参りする方は多いと思います。

神社では「破魔弓」や「破魔矢」などと呼ばれる

弓矢をモチーフとした縁起物が売られていますよね!

 

そもそもこれは京都の春の風物詩の

矢で的を射って邪気を祓う「歩射神事(ほしゃじんじ)

というものが伝わったことがルーツとされています。

 

古くから人々は弓矢というものに

特別なありがたさを感じていたわけですが、

江戸の町では驚きのアイテムを弓矢のお守り代わりにしていました。

 

それはなんと『團十郎の矢の根』を描いた錦絵であります!

まるで護符のようにして、

門口に貼っている家もあったのだそうですよ。

 

こういったことからも市川團十郎家の荒事というのは、

ある種民間宗教のようなありがたさを持って江戸の人々から大事にされ

崇められていたのだということがよくわかりますね

 

矢の根」をお正月の恒例行事のようにして見ることで、

おめでたいなぁ今年もいい年になるといいなぁと思っていたのでしょうね。

 

現代でも市川團十郎家の方ににらまれると、

無病息災の御利益」があるなどと伝説的に言われていますよね!

確かにお正月に海老蔵さんのにらみを見ると無条件に盛り上がりますし、

とてもおめでたい気分になれるものですから

これは私達の胸にずっと息づいているものなのだろうと思います。

 

特定の役者を神格化して御利益を喜ぶというのは、

なんだかとても不思議でおもしろい文化ですよね!

こうした文化が未来へ続くよう、大事に伝えてゆきたいですね。

今月の幕見席

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