ただいま歌舞伎座で上演中の
歌舞伎座百三十年
六月大歌舞伎!
昼の部は「妹背山婦女庭訓」「文屋」「野晒悟助」
時代物・舞踊・世話物という大変バランスの良い狂言立てで見ごたえも抜群です!
「妹背山婦女庭訓」は上演頻度も高く大変有名な演目ですので、
この機会に「三笠山御殿」の場面についてお話いたします。
芝居見物の楽しみのお役に立てればうれしく思います!
三輪山伝説とお三輪のおだまき
前回の、三笠山御殿にいたるまでのお話
このお話には実はモチーフとなった神話があるのです。
古事記にみられる、その名も「三輪山伝説」であります。
まさしくお三輪の三輪ですね。
奈良県桜井市に現存している三輪明神 大神神社(おおみわじんじゃ)の
縁起絵巻に詳しいので、かいつまんでご説明いたします。
そもそも三輪伝説とは、
大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と活玉依姫(いくたまよりひめ)の恋物語です。
世にも美しい活玉依姫のもとに、とある若者が夜ごと通ってきていました。
この若者は見目麗しく立派であったため、
あっという間に二人は両想いになって活玉依姫は身ごもりました。
しかしながら、なにやら素性のよくわからない若者であったため、
姫のお父さん・お母さんは大丈夫なのかと不信に思います。
「彼が訪ねてきたときには苧環の糸を針に通して、彼の衣の裾に差しなさい」
と活玉依姫に言いつけることにしました。
活玉依姫はその通りにして、若者が帰った後に糸をくりくりと辿っていくと
糸は三輪山の大物主神(おおものぬしのかみ)の社に留まっていたのです。
これによって活玉依姫は
私のお腹の子には大物主神の、ありがたい子供が宿っているのか…!と
知ることになったのでした。
この時に糸が三巻(みわ)残っていたためにこの地を美和(三輪)と名付けたとさ…
めでたしめでたし…といったところです。
活玉依姫の苧環の糸がここまで続いていたという伝説が残る杉の木
「おだまき杉」が、現在も三輪山には残っているそうです。
大神神社は三輪山そのものがご神体であり、
それはそれは強力なパワースポットだとお好きな方々の間では噂のようですよ!
写真を見ただけでもなにやらすごそうな雰囲気です。
ご興味をお持ちの方はお出かけになってはいかがでしょうか。
百科事典マイペディア/朝日新聞