いよいよ今週末の27日(土)、歌舞伎界初の試みである
オンライン配信歌舞伎「図夢歌舞伎 忠臣蔵」第一回が上演されます!
とはいえいまだ謎に包まれている図夢歌舞伎…
詳しい内容については不明ですけれども、仮名手本忠臣蔵 全十一段の内容が再構成され、5回に分けて上演されるようであります。
第一回:大序~三段目
第二回:四段目
第三回:五・六段目
第四回:七段目
第五回:九・十一段目
オンライン配信ということで今回初めて歌舞伎をご覧になる方もおいでかもしれませんので、元ネタとなるであろう仮名手本忠臣蔵についてざっくりとお話してみたいと思います。
何らかのお役に立てればうれしく思います!
そもそも仮名手本忠臣蔵とは
そもそも仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)とは、江戸時代の大事件「赤穂浪士の討入」を題材とした、全部で十一段にもなる長い長い物語。
1748年(寛延1)に人形浄瑠璃として初演され歌舞伎に移されて以来、実に270年以上にわたり愛され、上演の度に大当たりするという日本史上最大級のメガヒットロングラン作品といえるものであります。
出典:メトロポリタン美術館
赤穂浪士の討入を題材にしているとはいっても、現代のテレビドラマなどで描かれる実録調のものとは味わいが異なります。
江戸時代の芝居というのは幕府からいろいろと厳しく取り締まられていたために、露骨に元ネタをそのまま上演するわけにはいきませんでした。そのため時代設定や名前などを変更し、仇討ちの本筋にラブストーリーなども加わり、壮大なフィクションとして練り上げられているのが特徴です。
ですので歴史にはお詳しくなくとも、十分に楽しめる作品かと思います。その点についてはご安心くださいませ。
また、図夢歌舞伎は全五回あるために「全てを最初から見ないとお話がわからないのではないか…」とご心配の方もおいでかと思いますが、こちらについても心配ご無用です!
全十一段にわたる物語は、それぞれ一つだけを抜き出しても十分成立するほどに演出が練り上げられ、すでに名場面として定着しています。これこそ超ロングランヒットの成せる業かと思います。
近ごろではそうもいきませんが、かなり近い時代までは「あの段といえばあんな筋」ということが人々の間で常識として共有されていたようです。
各回がどのような筋であるのかは、また追ってお話してゆきたいと思います!