ただいま歌舞伎座で上演中の四月大歌舞伎!
第一部で上演されている「勧進帳」は、歌舞伎屈指の名作として知られる演目。弁慶が花道をトントントンと飛び六方で引っ込んでいく様子は歌舞伎をご覧になったことのない方にもお馴染みの名シーンかと思います。
今回はA日程で白鸚さんの弁慶、B日程で幸四郎さんの弁慶という役替わりでの上演です。A日程は本興行最年長・78歳での弁慶、さらに現役最多回数の1150回を塗り替えるという記録的な舞台。B日程は松也さん初役の富樫の記念の舞台ということで、どちらの日程も注目を集めています。
「勧進帳」は名作中の名作ですが、視覚的なヒントが少なく、何が起きているのかわかりにくい演目でもあります。そのためざっと内容を把握しておきますとより楽しめるかと思います!
基本情報
内容を本当にざっくりとお話しますと、
状況:都を追われた源義経が家来の武蔵坊弁慶たちとともに変装して逃げている。
出来事:関守の富樫左衛門が守る安宅の関に差し掛かるが、正体を見破られる。
結末:絶体絶命の弁慶はどうにかして義経を守り抜き、関を越えようと奮闘する
というものであります。
シンプルなサスペンスの中に三人の男たちの思いやそれぞれの立場が交錯していくことで、心が震えるようなドラマを生み出します。
勧進帳はこのすえひろも大大大好きな演目ゆえ、このほかねちねちねちねちとお話した回がたくさんございます。
以下にひとつまとめますので、何らかのお役に立てればうれしく思います。
ざっくりとしたあらすじ
勧進帳では長唄の詞章とともに物語が進んでいきますが、初めての場合聞き取るのは難しいかと思われます。しかしあらすじを把握しておきますと、少し言葉が入ってきやすくなります。ごく簡単に流れをお話したものがありますのでお役に立てれば幸いです。
弁慶と富樫の葛藤
義経と弁慶の主従関係にも胸が熱くなりますが、富樫と弁慶の男と男の命をかけたやりとりにも心が震えます!そんな弁慶と富樫の人物像についてお話したのがこちらです。
勧進帳にちなんだ演出のことば
勧進帳には、歌舞伎のお約束の演出がさまざま用いられています。
他の演目でも共通してくるものですので少しばかりご紹介いたします。
次回の観劇の際にもご活用いただけるかと思います。