今日は療養中の吉右衛門さんが7月の歌舞伎座を休演なさるとの発表がありましたね。
引き続き療養に専念する必要があるとのことで心配ですが、ご無理なさらない判断に安心もいたしました。ゆっくり休んでいただきたいですね。
今日は、新型コロナの外出自粛期間に始めた「Googleストリートビューで芝居の舞台となった場所とその周辺を訪ねてみる」という遊びを久しぶりにやってようと思います。ゆるゆるとした旅ですがみなさまもぜひご一緒にいかがでしょうか。
ふと毎年芝居を観に行っていた大阪の街が恋しくなりましたので、先日千穐楽を迎えたコクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」ゆかりの地をうろうろしてみたいと思います。行き当たりばったりのうえ、事情があり画像そのものを貼ることができず地図埋め込みとなりますが、何卒ご了承くださいませ。
前回: 神田祭 編
夏祭浪花鑑とは
「夏祭浪花鑑」は、江戸時代から夏の定番として人気を博している演目。ケンカがもとで牢屋に入っていた堺の魚売りの団七という男がシャバに戻り、これから心機一転がんばろうというところ、恩人のために強欲な舅を殺してしまう…という、仁義侠気を泥臭く描いたハードボイルドな内容であります。
今回は現行の上演では序幕となることの多い住吉鳥居前の場ゆかりの地を巡ってみたいと思います。団七が放免され、むさくるしい囚人の姿からさっぱりとしたイケメンに変わり、一寸徳兵衛と義兄弟の契りを交わす場面でした。
さっそく行ってみましょう
夏祭浪花鑑 住吉鳥居前の舞台は、住吉大社ですのでこのあたりです。
ちょうど同じ「住吉鳥居前」という駅がありましたのでそのあたりに降り立ってみましょう。
住吉大社は「すみよっさん」と呼んで親しまれ、初詣の際には200万人もの人が集まるのだそうで、googleストリートビュー上のようすもとてもにぎわっていますね!人々のようすを見るにおそらくコロナ前の写真ではないでしょうか。懐かしい感じがします。
一の鳥居をくぐりさっそく境内へ向かいましょう。関西圏の「○○さん」という呼び方に憧れます。素敵ですよね。私もすみよっさんと呼んでみたいところですがオンライン上での初対面でさすがに馴れ馴れしいのではと憚られます。
渡るだけでお祓いになるという、住吉大社のシンボル「反橋」を渡ります。
慶長年間に淀君が奉納した橋脚だそうです。
偶然にも鳥が映っていました。気持ちよさそうですね。
反橋の赤と正面神池の水面のコントラストが美しいです。
渡り終えました。お祓いになったでしょうか。
この鳥居は住吉大社角鳥居として有形文化財に登録されている貴重なものです。どっしりとした重みがあります。
この中がいよいよ境内なのですが、残念ながらよきアングルを見つけることができませんでした。
国宝の「本殿」は住吉造りという神社建築史上最古の様式のひとつが採用されており、大海原を行く船団のように配置されているという、建物好きにはたまらない空間のようです。ぜひ生で拝見したいです。
境内はとても広く、たくさんの神さまと、おもかる石や一寸法師、住吉うさぎなどの楽しい見どころがたくさんあるようです。
さらに「五大力」と書かれた石を拾うと願いが叶うとされているゾーンもあるそうで、これが気になります。五大力と言えば「盟三五大切」。大阪松竹座で見たときのことを思い出しました。小万の首をきゅっと抱く仁左衛門さんの一瞬の姿が悲しく、今も目に焼き付いています。
住吉大社はストリートビューでは回り切れない広大さでした。
大阪松竹座のある難波から住吉大社の最寄り駅はうまく乗れば電車で10~16分ほどであるようです。どういうわけか30分以上かかってしまう場合もあるようでハラハラしますが、念願かなって大阪松竹座に出かけた際は寄り道してみたいと思います!