あさって14日(木)は2月の歌舞伎座公演
二月大歌舞伎のチケット一般発売日です!
現在オミクロン株が流行していて、宝塚歌劇団では全日程公演中止という無念なお知らせがあったようです。舞台を作りあげてこられた方、舞台を楽しみになさっていた方、双方にとってあまりにもつらいことで、こういった悲しみを繰り返さないためにも自分自身が感染を拡げないよう全力を尽くさねばならないと思いました。
ずば抜けて厳格であった歌舞伎座の感染対策も、少しずつ緩和の動きがあります。我々の側でも充分に気を付けてまいりましょう。
今後の状況がわかりませんが、今回の二月大歌舞伎は第二部で仁左衛門さんが一世一代の舞台をお勤めになりますので、どうか無事に全ての日程で上演がありますようにと願っています。
公演の詳細
一般発売日
1月14日(金)10:00~
会期・上演時間
2022年2月1日(火)~25日(金)
第一部 11:00~
第二部 14:30~
第三部 18:15~
休演日:8日(火)、17日(木)
チケット料金
一等席 16,000円
二等席 12,000円
3階A席 5,500円
3階B席 3,500円
1階桟敷席 17,000円
歌舞伎座では一月から販売座席数が少し増え、原則2列並びとなりました。舞台の見え方も以前の劇場に近づきました。2列並びとはいえ会話は控えることが呼びかけられています。お友達とお出かけになる方が増えるかと思いますが、どうぞご注意くださいませ。
歌舞伎座の感染対策
歌舞伎座の感染対策についてご心配なさっている方もおいでかと思いますので、昨年8月の再開時に実際に出かけてきた際の記事をご紹介しておきます。このあと上演形態は変わりましたが、玄関での入場時の作法は変わりません。記事公開後の大きな変更は、①筋書の販売再開、②2席並び販売です。
現在感染状況は落ち着いていますが、状況が悪化した場合も歌舞伎公演が続くために重要と思われるポイントがあります。今一度我々観客の方でも徹底してまいりましょう。
①ロビーや客席では会話を控えることが推奨されています。
②整理退場への協力が求められています。終演後も係の方からの案内があるまで座席で待ちましょう。
会話を控えるのはもちろん、整理退場も出入口での密集を避けるための大切な施策ですので、ご自身の身を守るためにもぜひご注意ください。
歌舞伎座の感染対策はこれまで非常に厳格に守られ、我々観客の健康をしっかりと守っていただいてきましたから、今後も提示のとおりに取り組んでまいりましょう。
おすすめのポイント
二月の歌舞伎座は、第二部「義経千本桜 渡海屋・大物浦」で仁左衛門さんが渡海屋銀平実は新中納言知盛をお勤めになりますが、なんとこの舞台は「片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候」と銘打たれています。
これはつまり、今回でこの役の演じ納めをなさる、これが最後ということです。仁左衛門さんの知盛は必見ですので、難しい状況ではありますが観劇が許される方には後悔のないよう、ぜひにとおすすめしたく思います…!!
第一部「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」は、赤穂浪士討ち入りを題材としたさむらいたちの心理戦で、緊迫感のあるセリフのやり取りが特徴的です。近代に作られた比較的新しい時代の作品ですから、初めての方でもセリフが聞き取りやすいかと思います。
続く「石橋」は、歌舞伎と聞いて多くの方がイメージされると思われる、獅子物の舞踊です。長い毛をぶんぶんと振り回す「毛振り」を見ることができます。
第二部「春調娘七種」は、曽我兄弟の討ち入りという歌舞伎では有名なエピソードを題材とした美しい舞踊です。曾我兄弟は兄が十郎、弟が五郎といって、おっとりの十郎と荒くれ者の五郎というキャラ設定がお馴染みとなっています。
続く「義経千本桜 渡海屋・大物浦の場」は、壇ノ浦で平家が滅ぼされたが、実は平知盛が生きていて、平家再興を叶えるため義経の命を狙っているというスリリングな設定のお芝居です。
海を舞台とした非常に壮大で悲愴な物語で、歌舞伎屈指の名場面のひとつであります。鎧を血に染めた激しい立ち回りと、壮絶な幕切れは圧巻です。
第三部「鬼次拍子舞」は、世界的に有名な写楽の絵に描かれている三代目大谷鬼次という役者が踊った舞踊です。写楽の有名な絵というのは、両手を広げた歌舞伎役者がいかつい表情を浮かべているあの絵です。もちろんあの格好で踊るわけではありませんで、大変華やかな舞台です。
続く「鼠小僧次郎吉」は、有名な義賊・鼠小僧の義理と人情の物語です。市井の人々の間に起こるドラマを描く世話物と呼ばれるジャンルの演目で、初めての方にもわかりやすく感情移入しやすいかと思います!
初めてご覧になる方にはどの部もおすすめですが、今回はとにかく第二部をおすすめしたく思います…!難しいと思われるかもしれませんが、仁左衛門さんの知盛を肉眼でご覧になったことがあるというだけで、生涯にわたる宝物のようなご経験となるに違いありません。
昨年この知盛を当たり役のひとつとされていた吉右衛門さんが亡くなられ、仁左衛門さんまで一世一代でのお勤めということ、歌舞伎ファンの端くれとして猛烈な焦燥を感じています。必ずや全日程上演されることを信じ、心して拝見したいと思います。