歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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松竹大谷図書館のミニ展示「『桜姫東文章』の世界」を見てきました!

先日、松竹大谷図書館へ出かけまして、ミニ展示 第91回所蔵資料展示「―シネマ歌舞伎公開記念―『桜姫東文章』の世界」を拝見してまいりました!

松竹大谷図書館の閲覧室はこじんまりとした空間で、展示も小さなスペースではありますが、貴重な書籍と舞台写真の数々に見入ってしまいました…うっとりです。

 

玉三郎さんの変わらぬ麗しさ、そして孝夫時代の仁左衛門さん権助のカッコよさたるや…。

お若いころの写真がどんなに素敵であっても、最新の仁左衛門さんが一番カッコいいというのは大前提としても、なんだかもう、ちょっと本当にドキドキしてしまう色っぽさでしたね…。当時生でご覧になっていた方は、立ってご帰宅できたのかなと思います。私なら腰を抜かすと思います。

伝説のポスターと感動の対面

そしてなにより、大倉舜二氏撮影の孝玉ポスターが目玉でした。鮮やかな黄色の背景、乱れる振袖の上で、孝夫時代の仁左衛門さんと玉三郎さんが抱き合っている有名な写真です。

昭和57(1982)年2月南座公演のもので、掲示されるとあちこちで剥がされたという伝説的ポスターであります。昨年歌舞伎座での上演の際に販売された復刻版ポスターも第一弾がすぐさま売り切れてしまったのですよね。

 

昭和57年版は題字が紫色で、フォントも復刻版より少し太めでレトロなものでした。背景に左手上に床本の画像が敷かれていたことも発見でした。これらの要素が良い意味でなんともいかがわしく、80年代のデザインらしい色っぽさがありました。こうしてみると、復刻版はずいぶん洗練された仕上がりだったのだなと思います。

 

そしてなにより胸が熱くなったのは、八つくらいに折られたらしい結構大胆な折り目がついてしまっていたことです。実際の経緯はわかりませんが、あまりにも剥がされすぎてこの状態のものしか残っていないのでは…?と思うと、折り目を通して当時の熱気を目の当たりにするようでとても興奮しました…。この1枚がなんとか保存されていて本当によかったです…!

展示は6月29日(水)まで。まもなく展示が終わってしまいますので、お出かけになる場合はどうぞお早めに!

 

また、時折募集されている松竹大谷図書館のクラウドファンディングでは、所蔵資料などの興味深いお知らせメールをちょくちょく送ってくださるのでワクワクします。貴重な書籍はもちろん、舞台写真などを眺めに出かけるのもおもしろそうです。平日のみの開館で社会人には少々ハードルが高い場所ですけれども、機会があればぜひにとおすすめいたします。

 

展示の詳細はこちらにも記載してありますので、ぜひお役立てください。

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