2022年9月10月、歌舞伎座で実施されている松竹歌舞伎会会員限定特別企画「定額制観劇サービス」。事前申し込みのパスポート購入者に2階席の空席を開放し、何度でも見放題という空前絶後の企画でした。
このすえひろも9月にこのサービスを利用しまして、これまで気になっていた座席も含め、二階席のさまざまな角度から芝居を味わってみました。
写真を撮影してまいりましたので、少しご紹介いたします。写真が下手なうえ、実際座ってみた時の視界とは異なりますが、ご参考にしていただければ幸いです。
また、スマホのアプリでお客さんにモザイクをかけているので、見えにくい部分もあるかと思います。恐れ入りますがご了承ください。
2階席1列目(一等席)の眺め
歌舞伎座の舞台の高さと二階席の高さは意外と近く、視界の角度がそれほどつかないので、オペラグラスを覗いてみますとまさに目の前に役者さんがいるように見えます。花道の見え方も臨場感があり、付け根こそ見えませんが迫力は満点です。
また、役者さんの視線の置きどころなのか、役と場面によっては目が合っているかのような感覚も味わうことができます。一階席では見上げる感じになってしまうため、なかなか味わえない貴重な体験です。
ここは天皇陛下はじめ皇族方がおかけになることでロイヤルシートとも言われています。それも納得の眺望です。ぜひにとおすすめいたします。
この写真は過去のものですが下手寄りのご参考に…
実際座ってみると、手すりの部分はほとんど気になりません。私は低身長ですが視界を遮られることはありません。
2階席東桟敷(一等席)の眺め
二階席には東西の桟敷席があります。こちらは東の桟敷席からの眺望です。下足の掘りごたつ式で、座椅子に座ります。背の高い方には少し窮屈かもしれませんが、スペースは充分にあります。
ここからは花道が揚幕の方までばっちり見えますし、心配していた上手の見切れが意外と少ないことに驚きました。七段目でいうと、竹本の床の太夫の頭くらいまでちゃんと見えます。おかるの出などは、本当に目の前にいるような臨場感がありました。
見切れ具合はこんな感じです。本当にごく一部です。
2階席東桟敷 2列目(二等席)の眺め
東桟敷席の二階部分からの眺めです。同じく下足の掘りごたつ式になっていて、上手の見切れがあります。
竹本の床は見えない角度です。「揚羽蝶繍姿」に登場した熊谷陣屋の大道具でいうと、一番右の向かい鳩の紋は見えません。実際に見ていないのでわかりませんが、七段目でいうとおかるの出はちょっと見えにくいかもしれません。
しかしながら、この写真からもお分かりいただけるように、一列目の方の頭で花道が隠れてしまう心配はなさそうな高さです。
例えば白浪五人男や助六の出などはとても良く見えると思います。遠さはあるものの、一階席の二等席1列目が取れなかった場合などは、充分選択肢になるエリアです。
2階席西桟敷(一等席)の眺め
西側の桟敷席からの眺望です。ちょうど花道の上あたりです。揚幕までばっちり見えました。
ここからは花道は見えにくいとアナウンスされており、危険なため覗き込むのも禁じられているようです。しかし覗き込まずとも背筋を伸ばせば花道は見えました。
七段目でいうと、由良之助と力弥のやりとりを覗き込んでいるような感覚になり、おもしろい席でした。お手洗いと下りエスカレーターがとても近いのも良い点です。
2階席後方(二等席)の眺め
※写真は今月のものではありません
こちらは二階席の後方に設けられた二等席からの眺めです。
天井の閉塞感が気になるという方もいらっしゃるのですが、芝居が始まってみると意外と気にならないというのが私自身の感覚です。こちらもかなりコストパフォーマンスが良いと感じています。なにより、ゆったりとしていて比較的空いているところが好きです。
長々と書きましたが、二階席の見え方はこのような具合です。
残念ながら、2階席西桟敷の2列目は今回座りそびれてしまいました。しかし東桟敷からお客さんのようすを眺めたところ、花道はあまり見えていないのではないかとお見受けしました。また機会があればぜひ追記したいと思います。
2階席は一か八か試しに取ってみるには高価であり、なかなか挑戦しにくいゾーンかと思います。しかしながら、どのエリアも大変見やすく、非常にコストパフォーマンスの良い階なのだなと実感しました。選択肢のひとつとしてぜひ検討なさってみてください。