歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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十一月をふりかえり… 2022年

早いもので十一月も今日でおわり…

今月は團十郎襲名披露特別公演に始まり、團十郎襲名披露の顔見世に終わった、大変濃いひと月でした。

「助六由縁江戸桜」という演目は、続けて見ますと何やら美しさのあまり脳みそがとろけそうで、来月あたり思考不能になるのではないかなとハラハラしています。配役を変えての来月の公演も楽しみですね。

新しい時代の歌舞伎

今月の舞台について発表された当初はお若い配役に一抹の寂しさも感じていましたが、いざ拝見してみますと、皆様それぞれの速度で長年の鍛錬を重ねてこられたことのわかる熱いもので、もう戻らない時と、新たな時代の到来を感じました。

自分の歌舞伎ファン人生も新たなフェーズに突入したのかなと、寂しさを抱えながらワクワクもしています。舞台は映像とは違い、同じ時代を生きている者同士の一つの関係だと思っています。今ある芝居を長い時間をかけて愛していこうという決意を新たにしました。

自分にとって「團十郎」という名跡は、やはり歌舞伎を見始めたころに見ていて好きだった十二代の印象が鮮烈なのですけれども、今後十三代を拝見していく時間は十二代を拝見していた時間よりもずっと長くなるはずですから、少しずつ馴染んでいく時間を楽しんでいきたいです。 

芝居の感想はおとといお話したばかりですので、こちらに貼り付けておきます。

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それはそうと、今月は歌舞伎以外の演劇もいくつか拝見いたしました!明治座「歌妖曲 中川大志之丞変化」と、シアターコクーンの大好きな松尾スズキ作品「ツダマンの世界」の2本です。

長谷川一夫の映画「雪之丞変化」を拝見したばかりであったため中川大志之丞変化というタイトルのおもしろさに惹かれて衝動的に観劇、「ツダマンの世界」も完売で諦めていたなか興味本位でbunkamuraのチケット状況を見た際に1枚だけ出現していたため衝動的に観劇した次第です。

襲名披露で非常に厳しい懐でしたが、それを無視した瞬発力のおかげで素晴らしい作品に出会うことができました。舞台のチケットは当日まで諦めてはいけないということを声を大にしてお伝えしていきたいです。

 

特に印象に残っているのは中川大志さんの舞台俳優としてのポテンシャルです。お芝居が見事で、歌唱も非常に安定、ダンスも華麗で、声色も複数パターン自在に使いこなしていらして。これがほぼ初舞台、初座長ということに驚き入るばかりでした。

圧倒的な見目麗しさをお持ちでありながら、客席中の視線を全身に受けても一切の自意識を見せないようすは見事でした。役者としてあの落ち着きぶりでまだ24歳とのこと、今後の可能性に恐ろしさすら感じます。舞台作品にお出ましになる時は、ぜひ又拝見したいと思いました。

 

さて、来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今夜は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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