ただいま歌舞伎座で上演中の八月納涼歌舞伎
毎年夏休みのお馴染み、若手花形の方々を中心とした爽やかな公演です。
第一部で上演されている「大江山酒呑童子」は、源頼光の酒呑童子退治を題材とした十七代中村勘三郎ゆかりの舞踊劇です。今回は十七代の孫にあたる勘九郎さんと七之助さんがご出演で、注目を集めているのではないかと思います。恒例の密着ドキュメンタリー番組でも取り上げられるのではないでしょうか。
大江山酒呑童子については、過去にもお話したものがひとつありました。古いもので大変拙くお恥ずかしいのですが、何らかのお役に立てればうれしく思います。頼光の酒呑童子退治は浮世絵などでも描かれる大変興味深い題材ですので、追って今月あらためてお話いたします!
そもそも大江山酒呑童子とは
大江山酒吞童子(おおえやましゅてんどうじ)というのはそもそも、一条天皇のころに京都の大江山に出現したという恐ろしい鬼です。
あらゆる妖怪退治を任せられてきたヒーローとして有名な源頼光。この頼光が、つわもの四天王を連れて成敗したということで、芝居や浄瑠璃、浮世絵の題材としてはもちろん、近代では映画にもなっているお馴染みの存在であります。
酒呑童子のような伝説上の鬼というのは、政権や社会になじまなかった人々のことを表しているとされており、そのような背景を考察しながら見るとよりおもしろくなります。