来たる14日(土)は11月の歌舞伎座公演
歌舞伎座新開場十周年
吉例顔見世大歌舞伎のチケット一般発売日です!
新しい歌舞伎座で10回目の顔見世公演がやってきます。「顔見世(かおみせ)」というのは、江戸時代から続いている歌舞伎の世界の言葉です。
江戸時代の歌舞伎役者は11月スタートの年間契約であったそうで、「うちの芝居小屋ではこんな役者を揃えました、今年一年このメンバーの芝居をお見せします」というような意味合いで、盛大な興行を行いました。興行形式の変わった現在も名残として、顔見世と冠した公演が行われているというわけです。
そういったわけでたくさんの役者さんがご出演になりますので、チケットは早めの確保をおすすめいたします!
公演の詳細
一般発売日
10月14日(土)10:00~
会期・上演時間
2023年11月2日(木)~25日(土)
昼の部 11:00~
夜の部 16:30~
休演日:10日(金)、20日(月)
チケット料金
一等席 18,000円
二等席 14,000円
3階A席 6,000円
3階B席 4,000円
1階桟敷席 20,000円
六月大歌舞伎から、一部事前予約制の一幕見席が復活しています。3階席のチケットは早めに埋まってしまいますが、幕見席のおかげでお手頃に歌舞伎を見るチャンスが大きく広がりました!未体験の方はぜひお試しくださいませ。
おすすめのポイント
吉例顔見世大歌舞伎は、昼の部夜の部ともにお若い世代からベテラン勢までたくさんの役者さんが揃い、にぎやかな演目が並んでいます。各部の内容を簡単にご紹介いたします。
昼の部「マハーバーラタ戦記」は、古代インドの神話「マハーバーラタ」を題材とした演目です。近ごろインド映画が大変注目されていますので、お好きな方にはたまらないのかもしれません。菊之助さんを中心に、ナウシカ歌舞伎やFFX歌舞伎でもご活躍だった米吉さん、彌十郎さん、吉太朗さんといったお顔触れが並んでいます。
マハーバーラタ戦記は2017年に菊之助さんの新作歌舞伎として上演された作品の再演で、当時も大変話題を呼んでいたのを覚えております。拝見する前には一体どのような作品になるのだろうと想像もつかなかったのですが、いざ拝見してみますと想像以上に歌舞伎らしく、驚いたことを覚えています。その後、菊之助さんによってナウシカやFFXが歌舞伎化され、それぞれ大変な評判を呼びました。思えばこのマハーバーラタ戦記もその礎のひとつですね。今後もどんな作品を歌舞伎化なさるのか、とても楽しみです。
夜の部は「松浦の太鼓」「鎌倉三代記」「顔見世季花姿繪(舞踊3作品)」というラインナップです。
「松浦の太鼓」は、いわゆる赤穂浪士の討ち入りを描く忠臣蔵のサイドストーリーとして有名な演目です。討ち入り先である高師直邸(吉良邸)の近くに住まう風流人の松浦鎮信候は、赤穂浪士はいつやってくるのかな…と、うずうずする日々を送っています。そんな折、赤穂浪士関係者のあいだに動きが。果たしてどうなるのか…という演目です。忠臣蔵にまつわるお話は悲愴なものも多いのですが、松浦候のキャラクターのおかげでかなりポップでほのぼのとした味わいになり、初めての方にも見やすいと思います。
今回は松浦候を仁左衛門さんがお勤めになります!昨年京都の南座で久しぶりにお勤めになり話題を呼びました。仁左衛門さんの松浦候は本当に可愛らしいのでぜひにとおすすめいたします!
続く「鎌倉三代記」は、義太夫節と呼ばれる音楽で芝居を展開していく義太夫狂言と呼ばれるジャンルの名作です。ざっくりといえば、北條時政と源頼家はじめ武将たちの戦いのあいだで翻弄され、恋しい人と引き離されてしまうお姫様…といった構造の物語です。義太夫狂言は、初めてご覧になる場合わかりにくい部分も多々あると思いますが、わかるわからないという理屈を超えて、心にずーんと訴えてくるようなパワーがある素晴らしいジャンルです。ぜひお試しください!
今回は、歌舞伎の女形の大役・三姫に数えられる時姫の役を、梅枝さんがお勤めになります。重厚感のあるお芝居を必ず見せてくださるのではないかと思います。とても楽しみです。
最後の「顔見世季花姿繪」は、華やかな舞踊、粋な舞踊、様々な味わいの舞踊三作品でアレンジした演目です。又五郎さんや巳之助さんなど舞踊の名手の方々が揃っていますので、こちらも楽しみです。
初めての方にはどちらの部もおすすめです。歌舞伎はわかりにくいのではないかとご心配な方や話題性のある作品がお好きな方には昼の部を、まずはお芝居あり舞踊ありの昔ながらの歌舞伎がご覧になりたい方には夜の部をおすすめいたします!