歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【あす19日】 浅草公会堂 新春浅草歌舞伎 チケット一般発売!

あす19日は、1月に浅草の浅草公会堂で上演される新春浅草歌舞伎のチケット一般発売日です!

新春浅草歌舞伎とは、花形役者の方々による恒例のお正月公演です。近年は松也さんを中心とする20代~30代の方々がご活躍で、毎年話題を呼んでいます。若手の方々が先輩の指導を受けて古典の大役を一カ月お勤めになるという大変意義深いもので、大切な伝承の機会でもあります。

浅草公会堂は近年補修工事が行われ、手すりによって舞台が見えづらくなる座席が発生したため、特に見えづらい一部の席は当日券のみの販売になりました。つまりは、一部の席は当日もチャンスがあるということですので、ぜひ諦めずご検討くださいませ。

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

一般発売日

11月19日(日)10:00~

【チケットWeb松竹】

会期・上演時間

2024年1月2日(火)~26日(金)

第1部 11:00~

第2部 15:00~

休演:8日(月・祝)、19日(金)

チケット料金

1等席  9500円

2等席  6000円

3等席  3000円 

浅草公会堂は、2階席・3階席ともに一列目に手すりがあり、もともと若干見えづらいつくりでした。今回の補修工事では一列目に加え通路側にも高めの手すりが設置され、座席選択への注意喚起がなされています。どうぞご注意くださいませ。

 

このすえひろも補修工事後の浅草公会堂に何度か出かけ、見えづらいとされる座席にも座ってみましたが、事前の想像よりは見えるなあという感想でした。

様々な劇場へ出かけますと、この席はそもそも販売しない方が良いのではないか…と思ってしまうような視界の座席にもたまに出会います。しかし浅草公会堂の場合は、それほどの見えづらさは感じず、むしろ注意喚起の細かさが親切だなあと感心したくらいです。とはいえ、場所や個人の許容範囲によると思いますので、どうぞご注意ください。

学割があります!

チケットぴあと浅草公会堂窓口では、学割チケットの販売があります。1等席7,000円、2等席4,500円と歌舞伎座などと比べるとかなりお手頃です。学生の方はぜひにとおすすめいたします。

みどころ

お正月の浅草恒例の新春浅草歌舞伎!地域を挙げての応援も熱い、歴史ある若手花形の奮闘公演です。今回も松也さんを中心とした世代の方々が、歌舞伎座の舞台ではまだお勤めになる機会の少ない大役に挑まれます。

今回も第一部・第二部ともに、義太夫狂言と世話物の名作、華やかな舞踊が並んでいる大変バランスの良い狂言立てで、初めて歌舞伎をご覧になる方や役者さんと同世代の方、学生の方にも大変おすすめです。それぞれの演目についてごく簡単にご紹介いたしますので、どちらの部をご覧になるかのご参考になれば幸いです。

 

第一部「本朝廿四孝 十種香」は、死んでしまった許嫁の武田勝頼を一心に思う八重垣姫が、情熱を爆発させる名シーンです。女形の大役「三姫」の一つに数えられる八重垣姫を今回は米吉さんがお勤めになります。

与話情浮名横櫛 源氏店」は、やくざの女・お富に手を出してしまい全身キズだらけにされた与三郎が、数年後お富と再会するという修羅場の名シーンです。今回は与三郎を隼人さんが、お富を米吉さんがお勤めになります。

どんつく」は、地方と江戸の対比をユーモアたっぷりに描く舞踊です。巳之助さんを中心に、出演者の皆さまが勢ぞろいします。

 

第二部「熊谷陣屋」は、主君のため我が子を手にかける選択をし、深く苦悩する父のストーリーです。現代の世の中では考えられない選択を、どう胸に響かせるのかというのが伝統芸能のおもしろさのひとつではないかと思います。今回は主役の熊谷次郎直実を歌昇さんがお勤めになります。

流星」は、雷の夫婦喧嘩を流星、つまりお星さまが語るというたいへん愉快な趣向の舞踊です。今回は種之助さんが流星をお勤めになります。

魚屋宗五郎」は、ある大きな悲しみに際した男が、それまで絶っていた酒をあおり、あおり、あおりまくって、ポロリとこぼれる本音を描きます。「お酒」をきっかけとして、市井の人の営みの悲哀が見事にあぶり出される名ドラマです。今回は宗五郎を松也さんがお勤めになります。

 

新春浅草歌舞伎はいつも比較的バランスの良い狂言立てなのですが、今回は特に魅力的な狂言・配役が並んでいます。松也さんを中心とするメンバーでの浅草歌舞伎も、2024年で9年目なのですね。光陰矢の如しとはこのことですね。

みなさまこの9年間の間に目覚ましいご活躍で、拝見するたびに先を憂うばかりではもったいないぞと希望をくださいますので、このすえひろも非常に楽しみにしております!

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