ただいま浅草公会堂で上演中の新春浅草歌舞伎!
お正月の浅草で長年愛されている恒例の興行です。
松也さんを中心とする20~30代の方々が古典歌舞伎の名作に挑むという、
歌舞伎界の青春を感じるまぶしい公演であります。
第二部「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」は歌舞伎屈指の名場面。
由良之助を松也さん、寺岡平右衛門を巳之助さん、おかるを米吉さんがお勤めになります。
上演機会の多い大好きな演目ゆえ、ねちねちとお話した回がたくさんございます。
ひとつまとめてみますので芝居見物のお役に立てればうれしく思います!
芝居の独参湯「仮名手本忠臣蔵」
仮名手本忠臣蔵とは、穏やかな江戸時代に突如起こった討ち入り事件
「赤穂浪士の討ち入り」を題材とした物語。
およそ270年前の初演時から現在まで常に人気があるという驚異的なお芝居であり、
「芝居の独参湯(起死回生の妙薬)」と呼ばれるほどです。
実際の赤穂浪士の討ち入りをモチーフとしてはいますが、
江戸時代の芝居づくりには厳しい取り締まりがあったため、
実在の人物の名前は絶妙に変えられています。
芝居のなかではそれらについて一切説明がないため、
史実にお詳しい方ほど何が何やらということもあるかもしれません。
そういった前提についてお話した回がこちらです!
ざっくりとしたあらすじ
仮名手本忠臣蔵は全十一段にもなる長いお話で、通して上演しようとすると一日がかりとなります。
そのため名場面をピックアップして上演されることも多く、「○○段目」と呼ばれます。
今回の祇園一力茶屋の場は「七段目」です。
七段目にいたるまでのお話について本当にざっくりとお話したのが以下の回です。
直接は必要ない部分も含まれますが、ここまでの人間関係などが明らかになりますと、
より感動が深まるかと思います!
www.suehiroya-suehiro.com
七段目の登場人物
「祇園一力茶屋の場」の登場人物たちについてのお話です。
おかるはもともと遊女なのではありません。
ではいったいなぜ一力茶屋にいるのか…?という事情についてお話いたしました。
そして、おかるのお兄さん・寺岡平右衛門のモデルについて…
今月は橋之助さんがお勤めになっている由良之助の息子・大星力弥について…
落語の題材にも
270年間にわたり人気であり続ける芝居というのは絶大な影響力を持っていたようで
「忠臣蔵の○段目」と聞けば、誰がどうしてどうのこうの…と話が通じる程に、
世間でよく知られたお馴染みの物語であったのだそうであります。
テレビもインターネットもない時代にこのような拡散力を持つというのは驚きですね!
それほどお馴染みなのですから、ちょっとしたごっこ遊びなどもできたかもしれません。
そういった特徴を生かした落語「七段目」についてお話したのがこちらの回です。
www.suehiroya-suehiro.com